プロローグ
これから少しずつ更新していきたいと思います!未熟者ですがよろしくお願いします。
10年前
空から大量の雨が降っていたある日
━━ココはドコ?
少年は1人雨に濡れながら地べたに座っていた。
━━ボクはだれ?
記憶を失ってるのだろう。虚ろな目であたりを見回しも人っ子一人すら感じられない。
「どうしたの?こんな大雨のなか」
突然声がした方に振り向くと、同い歳くらいの男の子が立っていた。
「1人なの?お父さんやお母さんは?」
━━オトウサン、オカアサンってなんだろう。
男の子がじっと少年を見つめていた。
「君も異能持ち?スゴいね。君の体、こんな大雨の中なのに濡れてない」
男の子の言う通り、少年の身体は一滴も雨に濡れていなかった。よく見ると少年の身体が濡れる前に、雨は何かにぶつかり弾け飛んでいた。
「ねぇ。帰る場所がないなら僕の家においで」
男の子は少年に手を差し伸べる。
「僕の名前はね。黒主 慧っていうんだ。君の名前は?」
少年は慧の手を強く握りしめ。
「蒼葉」
一言そう呟いた。
*****
現在
「あーおばっ!」
蒼葉の背中を思いっきり叩く少年
「いったい!!何するんだよ!!千景!!!」
千景は笑顔で蒼葉に話しかける。
「いやー?明日は遂に卒業試験なんだぜ!?緊張しすぎて!!もう落ち着かねーの!!」
彼らは異能学院の3年生で、明日は卒業試験が待っていた。1次試験と2次試験に合格した者だけが、このエーデルシュタイン帝国の軍人になることができる。
だが、毎年5287名中たった25名しか合格できない狭き門である。
「あぁ。明日は卒業試験だったな。俺は毎年恒例、卒業試験は受けずに留年するからよろしく」
「えぇ!なんでだよぉ~俺ら親友だろ~?一緒に卒業試験受けようよぉ~蒼葉~」
「俺が卒業試験なんて受けたら、そもそも試験自体にならないだろ」
そう。青葉は強すぎるのだ。強すぎるが故に周りの人間からは恐怖の対象として見られている。
━━でも、この学院で千景だけが唯一俺を普通の人間として見てくれる。千景は俺の希望だ。
「なぁーなぁーなぁ!!」
━━ただ、めちゃくちゃ鬱陶しい.......
「お願いだって!!一緒に受けようよぉ~」
蒼葉は諦め千景に念押しをする。
「わかった!俺も受けるから離れろ!いいか?俺はチームプレーなんてもんは出来ないからな!!危険になっても助けてやらないから!!わかったか!!」
「うんうん♪蒼葉はそうこなくっちゃ♪」
千景は笑顔で蒼葉に笑いかけた。
次は卒業試験です。少しずつ物語が始まっていきます