表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
京都の王  作者: 宇井九衛門之丞
第4章 宵闇(禁断の妖喰い編)
49/192

三途

「……? ここは?」

刃笹麿は夢の中にて。


三途の河の縁に、佇む。

無論、すぐにそこが三途の河とは分からなかったが。


それでも陰陽師故か、分かる。

私は、死んだのか一一


「阿江の陰陽師よ。」

「……久しぶりであるな、死神よ。」

刃笹麿が声に振り返るや。


そこには死神・綾路が。

「ここはもしや一一」

「あの世、ではない。三途の河の縁。未だに死んではおらぬ、らしいぞ。」

「らしい? 何と曖昧模糊な……」

「うむ、未だに死んではおらぬ。こう言い切ればよいか?」

「……よい。それで。」


刃笹麿は綾路より目を逸らし、向こう岸を見やる。

深き霧が立ち込め、よくは見えぬ。


「死神よ、あそこが……」

「……あの世、と人間道の者は言うらしいな。」

相変わらず綾路は、刃笹麿に淡々と返す。


と、その刹那である。

向こう岸の霧がにわかに晴れ、現れたるは。


「!? ……父上!」

刃笹麿は声を、上げる。





「さあどうしたよ鬼神さん……立てよ! さっさとはざさんの苦しみ、おまけつけて返してやるからよ!」

半兵衛は声を荒げる。


その腕に握られし紫丸は、殺気を激しく放つ。

心なしか、血に交わる前の蒼き刃はどことなく、濁りし色である。


色こそ違うが、これではまるで。

「宵闇の、ごとくではないか……」

義常が、低く唸る。


「ふふふ……ははは!」

「何だよ? 何がおかしい? 人が傷ついて苦しんでるのが、そんな楽しいのか!」


この期に及んでも尚、笑い声を上げる鬼神に。

半兵衛はまたも、怒声を上げる。


「主人様……」

義常も、半兵衛の変わりし様に驚く。


いつもであれば軽々しく振る舞い、あまり心の内を読ませまいとする。それが半兵衛である。


であるというのに。

「ふははは!」

「だから! 何がおかしい!」


今の半兵衛の声、振る舞い、そして激しき妖喰いの様には。


隠しきれぬ恨み、怒りが滲み出ておる。

義常はたじろぐ。


しかし、そんな義常をよそに。

「よい……さあ斬ってみよ! 妖喰い使い!」

「言われなくてもそうしてやるから、黙れえ!」


半兵衛は激しく紫丸を振るい、鬼神と尚も戦いを繰り広げる。


もはや、今の半兵衛の目からは。

憎しみしか、見てとれぬ。

「主人……様!」


しかし、そんな主人の様に。

義常は意を決し。


緑の殺気の矢を翡翠につがえ。

鬼神に向けて放つ。


「ふん!」

「な……危ないだろ、義常さん!」

矢は鬼神と組み合いになっておる半兵衛にも、迫る勢いであり。


すんでの所で半兵衛に躱され、鬼神に当たる。

「ぐっ……」


しかし、義常は先ほどの半兵衛の言葉には答えず。

二の矢を翡翠につがえ、再び放つ。


「義常さん!」

「ぐっ!」

半兵衛はまたも躱し、矢はまたも鬼神に当たる。


鬼神のその様、まるでわざと矢を喰らいに行っておるかのごとくにて。


半兵衛はその様におかしさを覚えつつ、鬼神の苦しんでおるこの隙を突く一一

「義常さん!」


ことはせず。

後ろに下がり、矢を放たんとする義常を、止めに入る。


「義常さん、義常さん! 憎しみに我を忘れたのかよ! 誓っただろ? そうはならないって! だから」

「ならばその言葉、おん自らにもお聞かせくださいませ!」

「え?」


半兵衛はその言葉に、一時呆け。

すぐに、はっとする。

「主人様! 正気でございますな? ……主人様こそ目を覚まされよ! 今我らが相手するは父の仇でも、友の仇でもない! この都全ての仇! さあ」

「……すまねえ、止めてくれてかたじけない……」


半兵衛は力を、ふっと抜く。

怒り憎しみは、ひとまず消える。

「主人様……」

「ふん……私はそなたら妖喰い全ての仇であるぞ! さあ恨め怒れ! 我は醜き化け物なれば、それを倒すため化け物にならねば!」


鬼神は殺気の矢に、胴を刺されし様にて。

いかにも憎しみを滾らせし様にて、半兵衛らを煽る。


が、半兵衛は首を横に振り。

「戯けてんじゃねえ、鬼神さんよ! あんたみたいな化け物倒すために化け物にならなきゃなんねえ? 馬鹿も休み休み言えっての! まあ危ねえ所だっただけに面目ねえが……そんなんじゃなけりゃならねえなら、死んだ方がマシさ!」


鼻をふんと鳴らし、したり顔にて鬼神に返す。


「くくく……ふははは! よくぞ言った! 腹は決まりしということであるな……? ならば!」

鬼神も大笑いにて返し、刹那。


その身全てに、殺気を滾らせ。

体全てを殺気の雷にて、覆う。


たちまち雷は、伸びて半兵衛らを襲う。

「ぐっ!」

「主人様、下がりましょう!」





「くう……中々にしぶとき奴らよのう!」

内裏の前にて。


野守虫の背より伊末が、高无が。

悔しげに唸る。


野守虫は舌や尾を数多に分かれさせ。

頼庵や広人を攻めるが。


尽く攻めは、防がれ決め手に欠ける戦が長引く。

「兄上!」

「奴らも慣れて来たということか……相手としては事足りる!」


伊末はやや強がりを含みつつ、頼庵らを讃える。

「喋っておる暇はないぞ!」

頼庵と広人は、尚も迫る。


「ふん、図に乗るな! 罪人風情が!」

伊末は怒り、妖に構えさせる。




「何故、都を襲う!」

影の中宮と夏の戦いにおいて。


互いに互いの隙を窺い、少しでも揺らぐ時があればそこを狙う。


今は夏が、一時息を切らせし隙を影の中宮は見逃さず。

素早く夏との間合いを詰め刀を向ける。

「はっ!」

「ふむ……防ぎますか!」


しかし刃は夏の右手の爪に防がれ。

影の中宮のその隙を、夏も見逃さず。


そのまま左手の爪にて、影の中宮を斬りつけんとする。

「ふうむ……くっ!」


すんでの所にて、影の中宮は躱し。

夏の爪より刃を離し、宙返りにて再び間合いを取る。


「誠に……中々やりますな。」

「そちらこそ!」

影の中宮も息を切らし始める。


「隙ありであるぞ!」

「ふん、さあ来てごらんなさい!」

再び飛び出せし夏に、影の中宮は煽りつつ自らも駆け出す。


影の中宮は走り回る間、ちらりと横目にて兄たちを見やる。


力で拮抗し合っているこちらとは違い、あちらは押されつつあるようである。

「兄上……口ばかりではいけませぬでしょう? 致し方ありませぬね、ここは私がお力添えを!」


影の中宮はそう呟くや、夏に向かう足をふと、他の方に向ける。

「逃げるか!」

「いいえ? ただ、少々野暮用がございましてね!」


自らに向かわぬことを察せし夏が、影の中宮との間合いを詰めるが。


影の中宮は飛び上がり、夏に蹴りを入れ。

その勢いにて、兄たちの元へと跳ぶ。




「な……影の中宮! 何をしておる! ここは我らが引き受けておる、戦に水を差すな!」

伊末・高无と、頼庵・広人の戦場に。


にわかに兄たちの操りし野守虫の背に乗り込みし影の中宮に、伊末は怒りを露わにする。


「水を差すなどと……()()()()()()()()()()()()ようでしたので、お力添えに上がりし次第にございますわ。」

「な、何!」

「ふふふ……さあ」

兄の怒りを、よそに。


影の中宮はおもむろに、自らの刀にて。

野守虫の背に、小さく傷を付ける。


「な、何をしておる!」

「こうするのです……さあ、解き放ちなさい!」

影の中宮はさらに、自らの刀の先を手の指先にちくり、と刺し。


迸りし自らの指先の一雫の血を妖の背の傷より、注ぎ言葉を唱えるや。


たちまち、妖は様変わりする。

「なっ、これは!」

「なっ……何だ、この姿は!」


その場にいる者たちは、同じく驚きつつも、違う驚き方をする。


様変わりせし、野守虫の姿は。

元の姿は保ちつつもその身を白き毛皮に覆われ、尾は九つに分かれ。


頼庵や夏は見たことがないため分からぬが、伊末・高无・広人は一度は目にしているため分かる。


それはさながら、前に影の中宮が都に放ちし妖・化狐を思わせる。

「さあ……やってしまいなさい!」


呆ける他の者たちをよそに、影の中宮は妖に命じ。

たちまち妖は、動き出す。


「ぐっ! 兄上!」

「くっ……影の中宮! 何と勝手な!」

にわかに妖が動いたため、振り落とされそうになるも何とか凌ぎし伊末は声を荒げる。


「おっしゃっている暇はございませんでしょう? さあ、私が九尾のうち中の三尾を引き受けます故、お二人で左右それぞれに三尾ずつお好きな方をお願いいたします。」

「くう……心得た! 行くぞ!」

「はっ、ははあ!」


影の中宮の、事も無げに返す様により怒りの増す伊末であるが、今は憤る所ではないと思い直し。


右を引き受け、高无には左を引き受けさせる。

「頼庵!」

「夏殿! ……広人殿も、行くぞ!」

「お、応!」


頼庵・夏・広人も。

妖を迎え討たんと、向かって行く。




「さあどうした! とても足りぬぞ、使い手共よ!」

殺気の雷を撒き散らしつつ、鬼神が半兵衛らに迫る。

所は再び、都の真ん中・胴の封じられし所へ戻る。


「ぐっ……近づくことすらままならねえな!」

半兵衛は間合いを取りつつ、攻めかねている。


「主人様、ここは私が!」

またも義常は、殺気の矢を放つが。


鬼神の殺気の雷に阻まれ、届かぬ。

「くっ!」

「義常さん、しばらく様子見だ!」


半兵衛は義常を伴い、より間合いを取る。

「逃げるとは……どうした! 腹が決まったのではないのか!」

「ああ、今すぐにでもやりたい所だが……こりゃあ厳しいな。」


鬼神の煽りにも、半兵衛は冷ややかに返す。

やはり攻めあぐねいておる。迂闊に近づけばたちまち、雷の餌食である。


しかし、鬼神が待ってくれる訳もなく。

「ならば……一息に!」

言うが早いか、鬼神は空高く飛び上がり。

そこより隙間なく、殺気の雷を放ちながら地へと落ちんとする。


「ぐっ……主人様!」

「義常さん! ……くそ!」

間合いを再び取る間も無く、鬼神は半兵衛らの上へと一一




「あなた、あなた! ああ……」

その頃、刃笹麿の屋敷では。

苦しみ続ける刃笹麿の姿に、上姫は取り乱し。


泣き喚く。

「上姫様、落ち着かれよ!」

「落ち着いてなど……くう」

従者の言葉も耳に入らず。

上姫は尚も、泣き叫ぶ。


しかし、その刹那であった。

「……霊魂降伏、式神招来。」

「あああ……え?」

「急急如律令!」


刃笹麿は喘ぐ声を止め、ただ呪いを、唱える。

「あ、あなた!」

上姫は泣き叫びから一転し、喜びの声を上げる。





「な、何……!」

「え……まさかこれは!」

所は再び、都の真ん中。


自らを雷と化し、半兵衛らを打ち砕かんとせし鬼神であったが。


それは()()()()により、防がれし。


それは無論一一

「……結、界!」

刃笹麿の、結界であった。


「……おのれ、陰陽師!」

鬼神は、怒る。

しかし、それにより殺気の雷にわずかな揺らぎが。


「隙ありだ!」

言うが早いか、半兵衛は。


結界を小さく、紫丸にて切り開き。

そのまま鬼神の懐へ、飛び込む。


狙いは。

鬼神に刺さりし翡翠の矢による、殺気の穴である。

紫丸をそこめがけ。

「おりゃ!」

「ぐわ!」

鬼神に半兵衛は、すれ違い様に斬りかかる。




「さあ、逃げてばかりか!」

次は、内裏の前にて。

影の中宮を合わせし3人により操られし九尾の野守虫により、隙間なく頼庵らは、攻められる。


「くっ!」

「広人殿、聞こえるか!」

「頼庵! そうか、殺気の繋がりを……」

攻めにより散り散りになりし頼庵・広人・夏であるが。


殺気の繋がりを通し、頼庵が案じし一計が他の二人にも伝わる。

そして。


「はあ!」

広人が紅蓮より殺気の刃を伸ばし、九尾の野守虫を横に斬り払わんとし。


「ふっ!」

頼庵が緑の殺気の矢を数多放ち、野守虫に向ける。


「くっ! 何の!」

「案ずることはございませぬ!」

矢も、刃も。

背におる影の中宮らの命を受けし野守虫の九尾にて、防がれし。


九つの尾は、皆斬られるが。

「くっ……危ないではないか!」

「お待ち下さい! ……あの娘は何処に!」

「ここである!」


影の中宮が、憂いし通りに。

夏はどさくさに紛れて、先ほどの伸ばされし紅蓮の刃を飛び越えて宙に上がり。


そのまま尾が切れ、がら空きの野守虫の背めがけて爪を向ける。

「防がねば!」

「間に合いませぬ! 避けねば!」

「ぐっ……ああ!」


影の中宮らはやむなく、すんでの所にて背より抜け出す。

夏は勢いよく、宙より地に降り。


野守虫を、真っ二つにする。

たちまち妖の身体は血肉となり、蒼き殺気に染め上げられ。悲鳴とも嵐ともつかぬ音が、こだまする。


全てはすぐに、夏に吸い付くされる。


「やった! やりましたな清栄様!」

「うむ……なるほど。」

戦いを後ろに下がり見守っておった侍らは、揃い勝鬨を上げる。


清栄は、何やら静かな様であるが。

さておき。


「くっ……おのれ!」

地に降り立ち、影の中宮、伊末・高无ら長門の兄妹はすっかり、悔しげなる様である。


「……さあ、狼藉者共! 戦は決した。降伏すれば、今は捕らえるのみとする! さあ!」

清栄は頼庵らの前に我がもの顔にて進み出て。


侍る侍たちに、槍を影の中宮らに向けさせて言う。

しかし、その刹那。

「あー! な、何じゃあれは!」


侍の一人が、にわかに声を上げ。

皆がその指差す方を見るや。


暗き紫の一一殺気の光が、上がっておる。

「あれは……宵闇の。」

「ま、まさか兄者や半兵衛様が……?」

「は、半兵衛!」

広人・頼庵・夏は、口々に二人を憂う。


「く……ほほほ!」

笑い声を上げしは、影の中宮であった。


「何がおかしい!」

「喜べ、皆よ……今まさに()の刻の正刻(午前0時)である! 中宮の変わりし刻じゃ! ほほほほ……」

「何!? いつの間に中宮様を!」

「内裏に入り、中宮様のご無事を確かめよ!」

「は、ははあ!」

影の中宮のこの言葉には、皆驚き。

侍は幾名か、内裏へ入る。


しかし影の中宮は、尚も笑いつつ続ける。

「ほほほ……さようなことはせずともよい! 中宮はあの、后のことではないのだから!」

「な、何!」




「おい、血は流れた。つまり……こちらの勝ちじゃないのか!?」

所は宵闇の胴の封じられし所へ、戻る。


鬼神をすれ違い様に、半兵衛が斬りしことにより。

鬼神の腹より、血は流れた。


しかし、おかしな様である。

先ほどよりも、鬼神の纏う宵闇がその殺気の輝きを、増しているのだ。


「主人様!」

結界より出し義常は、半兵衛に駆け寄る。


「義常さん。」

「主人様、これは……?」

しかし義常と半兵衛が揃って、首をかしげる間にも。


「ふははは! よくぞ騙されてくれたな……大儀であった!」

「な、何! だま、された……?」

半兵衛らが振り向きし鬼神の言葉を、訝っておると。


「半兵衛、半兵衛! 聞こえるか!」

「! はざさん! 身体はいいのか?」

半兵衛は懐より。


刃笹麿より託されし、折鶴の式神を取り出す。

先ほどは、刃笹麿はこれを通し結果を張り。

そして今は、声を届けてくれておる。


「ああ……だが喜び合う暇はなさそうじゃ。よく聞いてほしい。……私が()()()()()()()()と言った、その訳を!」

「あ、ああ……」

半兵衛らは、鬼神の様を窺いつつ聞く。

鬼神も、刃笹麿の声に聞き入る。


「中宮とは、あのお后にあらず。……この宵闇の封の元となったあの数の並び、後天定位盤。あの真ん中の数のことじゃ!」

「え……?」

「ふふふ……その通り!」

刃笹麿の言葉に、鬼神も頷く。


「あの数の並びは、年(西暦)を九で割り、余る数により変わる! しかし、まだ封がある内は、封の施されし年から変わらぬ数の並びであったが……封が解かれ始め、そして年が変わり! 数の並びも動いたということよ!」

「な……じゃあ中宮が変わるってのは」

「ああ……明けし年の数を九で割り、その余りの数は四……この場合、中宮は七となる!」

「な……七って確か」


半兵衛も義常も、思い出す。

後天定位盤における、数と色の繋がりを。


四◼️九◼️二

三◼️五◼️七

八◼️一◼️六


緑◼️紫◼️黒

青◼️黄◼️赤

白◼️白◼️白


「赤……紅蓮か!」

「くっ……ではまさか!」

「ふふふ……さよう! 年が明ければ中宮は、五から七となる! その前に決めよと、申したはずであるが?」

「……くそっ!」

半兵衛は悔しがるが、後の祭りである。


そして、鬼神の纏う宵闇のみならず。

祠より封じられし胴が出て。

たちまち鬼神の纏う宵闇は全て宙に浮かび。


胴と合わさりて、空の大鎧を形作る。

そう、これにて。

「ふふふ……ははは! ようやく相見えたな、()()()()()()!」


宵闇は全て、揃ったのである。


そのまま宵闇は、再び分かれ。

新たな主人を寿ぐかの如く周りに集まり。

そのままその身を、鎧う。


刹那、全てを引き裂かんばかりに闇色の殺気が。

激しく雷をかき鳴らす。


「ぐっ!」

「義常さん!」

「封呪、急急如律令!」

刃笹麿の結界に庇われ、どうにか半兵衛と義常が、目を開けるや。


そこには。

「ふふふ……はははは!」

兜に鬼面をあしらいし、闇色の大鎧。


大晦にこの妖喰いを巡る戦は終わるのではなかった。

終いの戦は、これより始まるのだ一一

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ