さて、それから・・・・
次の日、月曜日である。
(流石に、幾らなんでも、今日は来てないだろ?)
主将の笠井は、午後7時00分、大きな欠伸を一つして、おんぼろ部室のドアノブに手をかけた。
『おや?』
ドアには鍵がかかっておらず、きしみながら開いた。すると、中から、荒い息遣いと、物音が聞こえる。
靴を脱いで上がり込んでみると、そこには塩原吾郎が、たった一人で腕立て伏せを繰り返していた。
『おい、吾郎・・・・』
『先輩!おはようございます!』
彼は顔をこちらに向けて挨拶をすると、また再び腕立て伏せを再開した。
『お前、何時から、ここに来てたんだ?』
『はい、今朝は・・・・六時半には来てました!』
『ろ、六時半だと?!』笠井は思わず声を上げた。
『お前・・・・何ともないのか?』
笠井は流石の吾郎も、昨日の負けにはショックを受けているだろう、そう思っていたのである。
『いえ?別に?』
『でもなあ・・・・』
すると、後ろからポン、と肩を叩いた者がいる。
見ると、そこには南雲と遠藤の二人が立っていた。
『心配することないって!』南雲はそう言って、さっさと着替え始めた。遠藤も後に続く。
『ん・・・まあ、仕方ねぇか』
笠井は呟くように言うと、自分も着替えを始めた。
さて、これでこの『CATCH!』は一区切りつけさせて頂きます。
ロクに資料もなし、知識もなしといったところから始めたこの作品です。
読み返してみても、お世辞にも出来が良いとは申せませんので、これからまた改めて、推敲を重ねてゆくつもりです。