激闘後
今日の試合結果を言えば、
『1勝3敗1引き分け』で、まあ、はっきり言えば惨敗だったわけである。
『お前ら、まだまだだな』
試合の後、着替えをしている四人に、鮫島が腕を組んだまま言った。
四人は、何も答えない。
憮然としている笠井。
ポーカーフェイスの南雲。
への字口に結んだままの遠藤。
そして、何だかぽかんとしたような吾郎。
『・・・・まだまだだが・・・・しかし、吾郎が勝ったのは収穫だったな。』
『その通りっすね。』笠井が言った。
その時である。
向こうの会長である郷原と、そして有馬が近づいてきた。
『いや、今日はいい試合だったよ。』そう言って、郷原は鮫島に握手を求めた。
『特にその、なんつったけ?塩原君か。まだ六か月だってのに、いい動きをしてたよ』
『出来りゃ、ウチにスカウトしたいくらいじゃないすか?会長?』有馬が言った。
『せっかくだけど、そりゃできねぇな。なんせこいつはウチのホープだからよ!』
鮫島カラカラと笑いながら、拳でどん、と郷原を軽くどついた。
二人はしばらくそこでヨタ話をして、それから歩き去っていった。
その背中に向かって、低く、
『今度は・・・・今度は負けませんからね』
吾郎はそう呟いていた。