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CATCH!  作者: 龍之介
20/22

決着、その二

 遠藤は、マットの中央に出ていくと、有馬の顔を正面から見据えて、表情も変えず、開始のブザーと共に先に攻撃を仕掛けた。

 先手、先手と次々に技を繰り出す。

 だが、どれも完全には極まらない。

 有馬は流石に試合巧者だ。

 結局、フルラウンド闘ったものの、最後の最後にヒールホールドがかかり、無念のタップとなった。

『すまねぇ・・・・』

 陣営に帰ってきて、彼がまず言ったのは、吾郎に対してだった。

 次は、笠井の出番である。

 大柄の笠井は、関節技はあまり得意な方ではないが、まず投げ技を何度も繰りだした。

特に、二回連続でのジャーマン・スープレックスは迫力があった。

 これがもし、フォール勝ちありのルールだったなら、間違いなく彼が勝っていたろう。

 だが、ギブアップを取らねば勝ちにならない。

 必死で相手を転がそうと粘ったが、結局最後はアームロックを極められてしまった。

『まだまだだな・・・・俺も』、帰ってきて、笠井は悔しそうに言った。

『いいさ、まあ、真打の俺迄美味しいところを取っておいてくれたんだからな』

 愉快そうに言って、南雲がベンチから立ち上がり、首にかけていたタオルをポン、と投げた。

『おい、達也、調子に乗るんじゃねぇぞ!』

鮫島の野太い声が飛ぶ。

 お互い、関節技巧者だ。

 互いに相手のスキを伺い、技をかけてゆく。

 一歩も譲らない、好試合になった。

 南雲の闘い方は、実にリズミカルで無駄がない。

 相手に関節を取られたら、すぐにそれを外し、今度はこちらがかけてゆく。

 有馬も、前に何度か手合わせをしているので、お互いを良く知っているようだ。

 結局、勝負はフルラウンドの末、決着がつかず。ドローとなった。

 

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