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CATCH!  作者: 龍之介
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死闘!第三ラウンド その4

 すぐに起き上がろうとするが、その時はもう遅かった。

 有馬にバックをとられ、彼の二本の腕が、それだけが独立した生き物のように絡みついてきた。

 スリーパー・ホールド(裸締め)である。

『逃げろ!逃げろ!』誰かの声が飛んだ。

 だが、もう遅かった。

 吾郎の首をとらえた腕に、軽く力がかかる。

 次の瞬間、ふうっという感じで意識が飛んだ。

 どこか遠くの方で、

『それまで、それまで!』と、誰かが叫んでいる。

 天井がコマのように、グルグル回っていた。

 虹の矢が飛び交う。

(あれ?俺、今日朝ごはん食べて来たかな・・・・)

 そう思った時である。

 両頬に鋭い痛みを覚え、はっと我に返った。

『気が付いたか?良かったな?』

 目の前に先輩たちの顔が並んでいた。いつも面々が、じっとこちらを覗き込んでいる。

『立てるか?』南雲が言うと、吾郎はこくんと頷いた。

(ああ、そうか・・・・負けたんだ・・・・)

 何だか、他人事のような感じだった。

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