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CATCH!  作者: 龍之介
17/22

死闘!第二試合 その3

右ひじを痛めた吾郎、しかしそれでも闘いは続く!

吾郎はさっきよりも大きく肩で息をしながら、有馬の顔をにらみつけた。

有馬はこちらの目をちらりと見ただけで、そのまま陣営に帰っていった。

ズキン!

 右ひじに痛みが走る。

 完全に極まらず、上手く逃げられたとはいえ、やはりあれだけ長く攻められたのだ。どこかを痛めた可能性は十分にある。

『おい、吾郎、大丈夫か?』

 笠井が最初に声をかけてきた。

『遠藤!救急箱!』

そう言ったのは南雲である。

 さすが彼は医師の息子だ。コールドスプレーをかけて肘を冷やし、テーピングをてきぱきとしてくれた。

『どうだ?』後ろから鮫島が覗き込んだ。

『幸い、まだ腫れは出ていないようですが・・・・・』

『吾郎、どうするかはお前が決めろ。だが、無理はするんじゃねぇぞ』

『だ、大丈夫です・・・・』

『本当か?』

『本当です!棄権なんか、絶対にしません!』

『・・・・・』三人は顔を見合わせたが、吾郎の意志が予想以上に堅いと見たのだろう。

『いいだろう。思い切ってやってこい!ただし、今度もし、おんなじことになったら・・・・』

『分かってます!』

三ラウンド、最終ラウンドを告げるブザーが鳴った。

 吾郎は大きく息を吸い、マットの中央に進み出た。

 握手をする。

『三ラウンド、開始!』レフリーの声が響いた。

 有馬はやはり自分からは攻めてこない。

(落ち着け・・・・最終ラウンドだ)

 吾郎は何度も自分に言い聞かせた。

『吾郎!ファイッ!』

『有馬先輩!落ち着いて!』

 双方から声援が飛ぶ。

(ようし!今度こそ!)

 吾郎は素早く有馬に向かって飛び込んだ。

 腰に両手がかかる。

 素早く、自分でも信じられないくらいの素早さで、彼は有馬のバックを取った。

『おっしゃあ!』陣営からまたも声援が飛んだ。

 と、次の瞬間、吾郎は腕は外され、有馬の身体が深く沈み込むと、股に手がかかり、ものの見事にマットに叩きつけられていた。

 エアプレーン・スピン(飛行機投げ)である。


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