共通④この恨み、はらさでおくべきか
「えー先ほどは取り乱してしまい、もうしわけありませんでした」
彼女は怨念がこもった威圧的な眼差しで、姫に抱きつかれたままの新斗に謝る。
新斗は先程のやりとりを震えながら思い出した。
『姫様に何をするんですかー!』
女は正気を失った様子で、新斗に斬りかかろうと、剣を構えた。
『いや、待って!どちらかと言えば俺がされてるんだが!』
どうどう、落ち着かせようと、コアラのようにしがみつく姫を体からはなそうとする。
『ウラミー落ち着いて、私は王子様を見つけたのよ~』
姫はマイペースに、それでいてがっちりと新斗をつかまえてはなさない。
『落ち着け…ウラミルミル』
『ディレスタント女史!これはどういうことですか!?』
『まあついてこい』
「私はウラミルヂィ。
姫様のお話係兼護衛です。
なぜこの男が姫様に抱きついているか、詳しく説明してくださるんですよね!?」
ウラミルヂィは鋭い眼差しで、新斗を見ている。
「実は…」
新斗はここにきた経緯、モンスターを倒した事を話す。
「なるほど、貴方がその英雄ですか…」
ウラミルヂィは頷きながら納得した様子で、腕を組んだ。
「あの、姫様はいつ離れてくれるんだ?」
「さあね?」
ディレスタントは首を傾げる。
「…姫様は書物の王子様と、貴方を重ねているようです」
ウラミルヂィは本の挿絵を新斗とディレスタントに見せる。
「全然似てねえ!
そもそもオレは王子ってガラじゃないぞ
村人Aくらいが似合いだ」
「Bじゃだめなのか」
「それより姫様をどうにかしてくれ」
新斗はディレスタントの話を自然に無視して、本題に入る。
「なんとかします!
いくら救世主であっても余所者の貴方に
ベタベタと姫様を触れさせるわけにはいきませんから!」
ウラミルヂィは新斗とディレスタントの服の首根っこをつかみ、ズルズルと引き摺り移動した。