霧で閉ざされた地
駄文御免
会話多めです
幻想郷
そこは妖怪、妖精、人間が共存する世界。時折異変が起きることがあるが博麗の巫女、博麗霊夢がそれを戒める。
そこでの争いごとはスペルカードルールで解決される。要約すると弾幕ごっこである。
幻想郷は今日も平和である。
「平和だわ」
「平和ね」
「近頃異変もなくなったからかな?」
「そうね」
「呆気無い返事ね」
「そう言われても困るわね。もう冬眠の時期も過ぎたから眠くもないのよね。霊夢の方はなにか変わったことあるかしら?」
「前までずっと寝てたもんね。変わったことねぇ・・・特に無いわ」
「そうでしょうね。所で魔理沙はどうしたの?」
「魔理沙なら今アリスの所に行ってるわよ。何か料理を教わるとかなんとかで」
「魔理沙が料理なんてどんな風の吹き回しかしら・・・所で一つ気になることがあるの」
「何?」
霊夢と紫のまったりした会話である。そこでふと思い出したかのように紫が話を切り出す。
「妖怪の山を越えて更に奥に行ったところに濃い霧で覆われた場所があったでしょ。そこの霧が徐々にではあるのだけれど晴れていっているみたいなの」
「ふ〜ん。それで何が言いたいの?」
「そこの調査に行きたいのよ。最初に幻想郷を創りだした時からあそこは濃い霧で覆われてたから一度も調査したことが無いの。だがら今回霧が薄くなり始めってる今が調査するチャンスなの」
「・・・今がチャンスだって事はわかったんだけどそれを何故私に話すの?もしかしなくても一緒に来いって事?」
「ダメかしら?私も初めて行く場所だから何があるか分からないわ。だから十分な対策ができるようにするのは当たり前でしょ?」
「う〜ん・・・まぁしょうがないか、わかった。それでいつ行くの?」
「出来れば明日の朝から行きたいわね」
「はいよ」
面倒くさそうにしながらも了承した霊夢であった。
次の日
「・・・これから行きたいのだけれど何故魔理沙がいるのかしら?」
「いいじゃないか。こんな面白そうなこと見逃すほど私はバカじゃないぜ」
「そう・・・まぁいいわ。それでは行きましょうか」
「おぅ!」
数分後
「霧が出てきたけど言ってたとおり薄くなってるのね」
「ええ、最初なんて自分の手足すら見えないくらい濃かったのよ」
「私には全然わからないが若干魔法に似た力をこの霧から感じるぜ」
「確かにそのようね」
「そうなるとこの霧は何者かが意図的に作り出してたってことになるわな。それが薄くなってるって事は力が弱まってきたっていうとこかな」
「おそらくその通りだと思うわ」
霧の正体がわかった霊夢達であったがそれがなんの為に誰がやったのかがわからなかった。
更に数分後
「何か見えてきたわ。あれは妖精かしら」
「多分そうね、でも数多くない」
「ホント多いな。見た感じざっと百は越えてるんじゃないかってレベルだぜ」
「この妖精たちが霧を作り出した犯人かしら?・・・よく見ると何かを守るような感じで集まって寝ている感じなのね」
「そうみたいだな。守るってのもそうだけどそれを中心にして固まって寝てる感じだぜ」
「そのようね」
霊夢達が少し離れたところから喋っていると妖精の一人がそれに気づいたらしく騒ぎ始めた。
「よそ者!よそ者!それ以上近づくな!」
「皆警戒!警戒!」
「な、何かしら、私達凄く警戒されてるのですけれど」
「分からないわ。でも、これ異常近づくと攻撃されるのは間違いなさそうね」
「たかが妖精だろ。向こうが攻撃してくるなら返り討ちにすればいいだけだと思うぜ」
「それもそうなのだけれど、私は出来れば穏便に済ませたいわ。その為には向こうが話を聞いてくれれば嬉しいのだけれど」
「それは無理なんじゃない?だってあの妖精たち、話をする以前に攻撃態勢なんだから」
霊夢達がどうするか迷っている。妖精は攻撃態勢に入っていて一歩でも動けば攻撃されるだろう。その時
「皆静かにして。お母さんが起きちゃうでしょ」
『でもよそ者が来た!』
「それはわかってる。私が話を聞いてくるからあなた達はお母さんを守ってて」
『わかった!』
「いい子ね」
「なんだか騒ぎが収まったみたいね」
「そのようね」
「でも何か一人こっちに来るぜ」
「勝手に入ったのは私達だけど一応いつ攻撃されてもいいように警戒だけしておきましょう」
全員が頷いたと同時に妖精は霊夢達の前に来た。
「・・・」
『・・・』
「・・・侵入者さん達は何をしに来たの?」
「侵入者って私達の事かしら?」
「じゃあ聞くけど他に誰がいるというの?」
『・・・』
「まぁなんでもいいけど要件がないならさっさと帰ってちょうだい。あなた方がいるのはこっちとしては迷惑なの」
「待って。私達は別に怪しいものではないわ。ただ最初は濃い霧で覆われていたこの知が薄くなったものだから調査に来ただけなの」
「ふ〜ん、だったらもういいでしょ。帰って」
「調査はまだ終わってないわ。あなた達はここで何をしているの?」
「何もしてないよ。ただお母さんを守ってるだけ」
「そのお母さんってのはあそこの中心にいる妖精のことか?」
「そうよ」
「じゃあもう一つ聞くけどあなた達は私達が住む幻想郷の一角であるこの場所に何故とどまってるの?」
霊夢の問に対して妖精は顔を顰めた。
「何故とどまっているですって?それはあなた達のせいよ」
「私達の?それはどういう事かしら?幻想郷は私達が住む世界。その一角に霧で身を隠すようにしていたのはあなた達でしょう?」
「私達の住む世界?・・・ハァ、せっかくここに来たんだから教えてあげる。元々この辺り一帯は私達の住む世界だった。それをあなた達が勝手に来て勝手に奪ったのよ。それなのによく平気な顔で私達の住む世界なんて言えるね。この侵入者共が!」
「私達が勝手に奪った?それは何かの間違いよ。だってここに幻想郷を創る前にちゃんと確認したもの。周りに反対するものがいないかを。その結果ここに幻想郷は創られた。その意味を成すところ、反対する者がいなかったってことよ。勝手に奪ったわけではないわ」
「へぇ~、私達の所には確認しに来た者は一人もいなかったけど。まぁもう過ぎたことだからいい。帰って」
「おい妖精!」
「何?」
「さっきっから黙って聞いてりゃ好き放題言いやがって。そんなに私達が気に入らないなら勝負しようぜ!負けたほうが正しいってことにすりゃいいだろ!」
「・・・別にいいよ。その代わり最初に言っておくけど、あなた達の世界のルールなんて私達には関係ないから真面目に殺しにいくよ」
「殺れるものなら殺ってみな!私はそこまで弱くないぜ!」
「そう・・・じゃあかかってきなさい」
こうして妖精と魔理沙の弾幕ごっこ?が始まった。
次はどうなる