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猫
寝ている
君のそばで 僕は
猫のように
伸びだした
みょよーん
みょよーん
君を 取り囲んだあとは
世界を一周して
地球にぐるぐる巻きついて
太陽まで丸め込んで
銀河系も飲み込んで
宇宙人が
僕を悪魔の再来だと言った
それでも僕は
伸び続けて
伸び続けて
これでもかっていうくらい
伸び続けて
宇宙の果てまで
伸びたんだ
そのあと
ふいに
僕は 弾け飛んで
ばらばらになって
やりきれなくて
悲しくて
さみしくて
目を開けたら
君は僕の腕の中にいて
目を閉じて 微笑んだままだった
安堵感に包まれて
涙ぐみそうになった僕の前で
今度は 目覚めた君が
みょよーん
と 猫みたいに伸びをした
だから 僕は
あわてて
君を思いっきり
抱きしめたんだよ