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84.身分証はお財布

「ええ。何でも、忙しくなる前に手続きを急いで下さったらしくて。」



 朝に聞きかじった話をアニスさんにする。

 すると、アニスさんは納得したようで、何度も頷いていた。



「…成る程。中央は手が足りないそうですし、今なら手続きも通しやすいでしょうね。」



 ルシェリードさんもそんなこと言ってたなあ。

 初日の気温がそれだけ異常だったってことなんだろうな。



「でも、良かったですね。それがあるなら、思ったより早く外に出れるかもしれません。」



「え。そうなんですか?」



「ええ。それがあるということは、ハルカさんの身元はルシェモモに登録済みということですから。

 まだ街も落ち着いてませんから、隊長たちの許可が必要でしょうし、ハルカさんのことを周知するのに時間がかかるでしょうが、身元を証明するものがあるのと無いのとでは話がずいぶん違います。」



 確かに。お役所の身分証明があるのと無いのとでは雲泥の差だ。

 今までだと身元不明の怪しい女だったけど、今はルシェリードさんに身元を保証してもらってる客人だ。



 この差は大きいと思う。

 メルバさんにも黒で目立たないのは無理だって言われたしなあ。



 このまま街を歩いたら絶対ウワサになるよね。

 それで、もしかしたら私のせいで気温が下がったって言われたりして…。



 うう。そうなっても否定出来ない…。

 私が来た時に気温が下がったのは事実だし。




「何より、外でお店を利用する時に身分を示すものがいるんです。

 いろんな形のものがありますが、これはカードという財布も兼ねているものですから、これがあればどこでも利用出来ますよ。」



 有り得る可能性に軽く落ち込んでいると、アニスさんが驚きの情報を教えてくれた。

 え。財布も兼ねてるんですか。これ。



 しかも、名前がカード…。

 これも元ネタあー兄ちゃんか。



 便利だけど、身分証明と財布を兼ねたカードなんて怖くて持ち歩けない。

 無くしたら一巻の終わりだ。



「これにお金が…?」



「ええ。一定の金額が入金されてると思います。

 ルシェリードさまがお渡しになったのなら、後見ですから、当座のお金は入れて下さってると思いますよ。」



 とういことは、電子マネーってことかな?それで、これはプリペイドカードってこと?

 カードが財布だって言ってるから、たぶん、この認識であってると思う。



「あ。もちろん、持ち主でないと取り出せませんし、中身も見れません。

 ハルカさんの魔素は黒ですから、偽造は不可能でしょうし。」



 んん?持ち主以外が中身を見れないのはありがたいけど、魔素?

 それも私が黒だから?どういうこと?

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