80.カラフルチャーハン再び
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あれから、共鳴についての正しい認識と、共鳴出来ると確認されているカップルの数は50もないという説明を受けた。
頭の整理が追い付かないまま、とりあえずメモを取ってたら不意にフェラリーデさんがドアの方を向く。
コッコッ
「アニスです。食事をお持ちしました。入ってよろしいでしょうか?」
「ええ。どうぞ。…もう昼時でしたか。今日はここまでにしましょう。」
「あ、ありがとうございました。」
真っ白になった頭でどうにか返事をする。
フェラリーデさんが心配そうに見てるけど、へラっと笑って誤魔化した。
…ホントにビックリした。
黒一色同士だから、夫婦扱いになるっていうのは聞いてたけど、共鳴までそうだったなんて。
というか、メルバさん、話が全然違うじゃないですかっ。
共鳴出来るのなんて極々わずかで、珍しいから名前がすぐに知れ渡るとか、すっごく重要な話じゃないですかっ。
ちょっと便利なんて認識どころじゃないですよっっ。
しかも、フェラリーデさんの話だと、共鳴は基本的に番同士で行われるから、仲睦まじさの表れだと認識されてるとかっ。
じゃあ、じゃあ、今までのって…。
あああああ…。
(は、恥ずかし過ぎる…。人前でいちゃついてたってことだよね…。)
フェラリーデさんは、クルビスさんは私を落ち着かせるためと治療のために行ってたって言ってくれたけど…。
周りはそうは思わなかったはずだ。
クルビスさんも言ってくれればよかったのに…。
いや。そしたら、ルシン君の治療なんかも出来なかったかも。
だから、言えなかったのかな。
お姫様抱っこですら暴れたからなあ。
まあ、嫌ではないし、おかげで治療も出来たんだから、今まではしょうがないとして。
どうしよ。しばらくは、恥ずかしくて顔見れないかも。
「こちらに置いておきますね?」
アニスさんが食事の入ったトレーをテーブルの空いた所に置いてくれた。
そうだ。ご飯。とにかくご飯食べよう。
「ありがとうございます。」
お腹空いてる状態で考えても効率悪いし。
美味しそうな匂い…なんだけど、今日のご飯はまたカラフルだなあ。
いや、今までも色鮮やかな食べ物はあったんだけどね?
お皿にドーム型に盛られているこれはチャーハンだと思う。
ピンクに黄緑にスカイブルーに山吹っぽい濃い黄色に…紫?の何かの粒粒が混ざってる。
具が細かいから元が何かわからないけど、色はすごい鮮やか。
初日に食べたのとは印象が全然違う。
こっちのチャーハンってカラフルじゃないといけないのかな?
でも、昨日派手豆を見たばっかりだし、派手な色の食べ物は案外多いのかもしれない。
まあ、色味が綺麗なのはいいことだ。たぶん。
さて、とりあえずいただきまーす。