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69.呼吸(遥加・ルシェリード視点)

 深呼吸しながら手の中のヒヨコもどきに集中する。

 そうやって数分経った頃…。



「ピギ…。」



 小さな泣き声にハッとして見ると、黄色い毛玉がモゾリと動いた。

 クルビスさんを見ると、頷いている。



(…良かった。治療が利いてる。)



 安心と同時に気を引き締める。

 まだ始めたばかりだから油断は出来ない。



 ヒヨコもどきも少し動いただけだ。

 後もう少し…。







 *******************



「共鳴が早くなったな。」



 孫と嫁が共鳴し合うのを見ながら、森で出会った日を思い出す。

 あの時より練度も高く、早さも上がっているのは気のせいではないだろう。



「ハルカちゃんの訓練始まったからね~。昨日1日だけしか見てないけど、あの子呼吸がすごくしっかりしてるんだよ~。魔素の把握も移動も初日でマスターしちゃって~。」



「何だと…。早すぎるだろう。」



 1日でなど、聞いたことも無い。

 ハルカは故郷で術士のようなことをしていたのか?



「どうもね~。ハルカちゃんの故郷では、呼吸の仕方が確立されてるらしくて、そのせいみたい~。小さい時から訓練してたみたいだよ~?」



 呼吸の仕方が…。それなら納得がいく。

 呼吸が乱れれば集中も乱れ、己の中の魔素の統制が取れなくなる。



 そして、魔素が乱れれば身体能力の操作にも影響が出るため、技術者・術士はもちろん戦士にも呼吸の習得が求められる。

 現に、どの職でも2級以上の資格を持つ者は自分なりの呼吸法を習得している。



 だが、この呼吸の習得には個体差が大きく、きっかけをつかめるかどうかは『運』だとも言われている。

 それが確立されているのか…。



「…大丈夫。あの子は教えてくれるよ。」



 俺の心中を読んだかのようにメルバが話す。

 こいつがそう言うなら、そうなんだろう。



「そうか。なら、後で教えを乞わねばな。」



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