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60.レシピの公開

「う~ん。かき氷は十分美味かったぜ。まあ、甘党の俺としちゃあもうちょい甘くてもいける。

 ただ、抹茶ソースを無理に甘くしなくても、添えられてたピンクと紫のやつ、あれが多めならいけるんじゃねえか?

 黄色いのは文句なく美味かった。甘さはこれくらいのほうが俺はいいな。」



 キィさんが感想を言いながら、またスイートポテトを1つ口に放り込んだ。

 ホント素早いな。丸飲みしてません?



「俺はかき氷はあれくらいでいい。添えられてたピンクと紫のやつ、あれは豆か?あれも美味しかった。黄色いのは俺には少し甘かったな。」



「私もかき氷はこれくらいがちょうど良いですね。この色からするとこれらは豆のトラットでしょうか?

 砂糖を混ぜると優しい甘みになるのですね。知りませんでした。

 ただ、もう少し暑くなるとこの黄色いのくらいの甘さは欲しくなるでしょうね。」



 クルビスさんとフェラリーデさんも詳しい感想を返してくれた。

 概ね気に入ってもらえたようで良かったです。



 スイートポテトは私が感じたみたいに甘い方に入るようだ。

 でも、暑くなるともっと甘い方がいいみたい。



「お口にあったようで良かったです。ピンクと紫は粒が残るようにしたのと、こして滑らかにしたのがあったんですが、どちらがよかったですか?」



「ピンクはこした方、紫は粒だな。」



「俺はどちらもこしたほうがいい。」



「私はピンクはこした方で、紫は粒もこした方もどちらも好きですね。」



 キィさん、クルビスさん、フェラリーデさんの順でした。

 三者三様の答えでしたね。



「好みが出るね~。そういや、ルド君は~?粒がいい~?こした方がいい~?」



 そういえば。ルドさんには粒あんかこしあんか好みを聞いてない。

 どうでしょう?



「ピンクも紫もこした方がいいですね。ただ、紫の粒も豆の煮る時間次第で食感が変わりそうです。」



 おお。プロの見解ですね。

 そっか。派手豆は煮る時間とかで皮の固さが変わるんだ。覚えとこう。



 でも、これでピンクはこした方がいいっていうのは決まった。

 白あんみたいって思ったのは間違いじゃなかった。



 紫は好みが出たな。

 さすが黒あん。



「ピンクはこした方が評判がいいですね。紫は好みが出るみたいですけど。」



「そうだね~。でも、どっちも美味しかったよ~。ありがとう~。ごちそうさま~。」



 メルバさんがお礼を言ってくれて、他の方々も一斉に言ってくれた。

 味が受け入れられて良かった。少しは恩返しになったかな?



「いえ。これくらいでよかったら、いつでも作りますから。あ。もちろん厨房を借りれたらですけど。

 ルドさんありがとうございました。でないと、材料を探すのに1日かかってました。」



「いや。こちらこそ、貴重な経験だった。これからは砂糖ももっと使ってみよう。」



 ルドさんにお礼を言うと、ルドさんは上体を傾けた丁寧な礼をしてくれた。

 うわわ。プロに頭を下げてもらうようなことじゃありませんから。



「ねえねえ。何時頃このかき氷出せる~?」



「そうですね。豆はありますが、砂糖と抹茶を発注しなくては足りません。」



「お?ここのメニューに加えるんですか?」



「うん。あ。ハルカちゃんの許可は取ってるよ~?このスイーツを広めて欲しいんだって~。」



 そう。私の望みは気軽にスイーツを楽しめること。

 知識の保護も大事だけど、ある程度広まらないと新しいお店もスイーツも生まれません。



 だから、レシピは公開する気です。

 聞かれれば誰にでも教えることに決めてます。



 そのことは挨拶のときにルドさんにも伝えてある。

 見学を許可したことと合わせて、ものすごく感謝されてしまった。



 ホント閉鎖的みたいだな。ここのスイーツ業界って。

 私の試みが上手くいけばいいけど。



「そうなのですか?」



 フェラリーデさんに満面の笑みで聞かれる。ぐふっ。

 え、笑顔、笑顔。頑張れ私。



「ええ。いろんな方に楽しんでもらいたいので。」



 広がれスイーツの和。

 いろんなお店のかき氷を食べてみたい。



「いいのか?ハルカ。」



「ええ。気軽にスイーツが楽しめる方がいいじゃないですか。プロの方が作った方が美味しいですし。」



 自分でいちいち作るのは面倒ですしね。

 私はお金払って食べれるならそっちがいい。


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