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58.隊長さん達の試食

「もうちょっと甘めに作りなおしましょうか?抹茶ソースならすぐに作れますけど。」



「…いや。とりあえずこのままで隊長たちに味を見てもらったらどうだ?

 さっきのは1番暑い時期の話だし、今ならこっちの方が受けると思う。

 それに、隊士たちに向く味と、受け入れられやすい味は違うしな。」



 そういや眠れないくらい暑い時期とかあるんだっけ。

 そんなに暑かったら味も濃いめの方がいいってことなのかな。



「そうですわね。わたくしはこれぐらいの方がいいですわ。

 そろそろ3刻ですし、休憩がてら試食して頂いてはどうでしょう?

 キィ様もしびれを切らしてる頃でしょうし。」



 ルドさんの意見にリビーさんが賛成する。

 メルバさんはにこにこして頷いている。賛成なんだな。



 う~ん。確かに、この暑い気候で和風の味付けがどこまで受けるのか…。

 確かめるにはデータが必要だよね。自分の知ってる味付けで済むならその方がいいし。



 1人より2人、6人いればさらにいいかな。

 よし。とりあえず、これで試食してもらおうか。







 *******************



「美味いっ。」



「美味しいです。」



「美味しい。」



 以上、キィさん、フェラリーデさん、クルビスさんのかき氷を食べた第一声でした。

 良かった。受けたみたいだ。



「いや~。すげえな。抹茶だっけ?

 前にリードに飲ませてもらった時は、香りはいいんだが、苦くて仕方なかったんだよな。

 これくらいならいけるわ。」



 やっぱ苦いんだな。

 クルビスさんはどうだろう?



「俺は抹茶に慣れてるからあまり参考にはならないと思うが、甘過ぎなくて食べやすい。

 …これで感想になるだろうか?」



「ええ。充分です。」



 クルビスさんは苦笑しながら感想を言ってくれた。

 私はこくこく頷いて何とか返事を返したけど、頭では今聞いた情報を整理するのに忙しかった。



 慣れてる?抹茶を良く飲むんですか?

 ルドさんが、抹茶ミルクでようやく飲めたのに?



 え。イメージと違う。

 お魚といい、クルビスさん和食系お好きですか?



「抹茶を良く飲まれるんですか?」



「母が深緑の森の一族だから、実家では家族で良く飲むんだ。父はいまだに慣れないみたいだが。」



 ああ。そっか。

 クルビスさんのお母様って、深緑の森の一族、つまりエルフだったっけ。



 だから、抹茶が深緑の森の一族限定で広まってても、クルビスさんには抹茶にふれる機会があったんだ。

 そこまで考えて、今日のお昼ご飯のことを思い出す。



(魚介もお母様がお好きだって話だったし、もしかしてこっちのエルフって和食系が好みとか?)



 そう思ってフェラリーデさんを見てギョッとする。

 え。何で?



(何でフェラリーデさん泣いてるのっ?)



 キィさんと話してたはずのフェラリーデさんは、眉間を抑えて泣きながらも、かき氷を食べていた。

 何で?どうして?



 あ、もしかして『頭キーン』になりました?

 違うかな。

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