5. 支度はいろいろ
「…わかりました。では、すぐに支度を…。」
アニスさんがドアを少し開けて話をしている。
内容はほとんど聞こえないけど、雰囲気的に私のことかな?
コーヒーを楽しみながら待っていると、話の終わったアニスさんがこちらに戻ってきた。
「リード隊長でした。着替えたら、昨日の部屋に来て欲しいとのことです。」
フェラリーデさんでしたか。
お勉強のお誘いですね。
支度が遅かったかな。
明日はもっと早く出来るようにしよう。
「今朝はパムノキでしたから、支度に時間がかかるのはご存知ですよ。」
考えを読まれました。
でも、コーヒーも飲み終わったし、支度は急ぎます。
立ち上がると、アニスさんが着替えを差し出してくれる。
至れり尽くせりだなあ。
慣れないようにしなきゃ。
こんなの慣れたら絶対マズい。
アニスさんに手伝ってもらいながら、昨日着たようなしっかりした生地の服を着た。
色は鮮やかな赤で、ちょっとオレンジ寄りかな。
帯は黄緑で、幾何学模様か細かく入っていた。
今回の結び目は前。楽チン、楽チン。
寝間着を脱いだら、若干汗ばんでいたのがわかったので、先に身体を拭いてガーゼの肌着も変えたらかなりスッキリした。
サンダルは変更なし。足首に留め具が無い、起きたら用意されてた木製のスリッパのまま。
最初に着替えた時もこのスリッパだったなぁ。
室内履きなのかな?
着替えが終わったら、髪をクシでとかしてシュシュでまとめた。
「…綺麗な布ですね。ココの布ですか?」
あ、しまった。シュシュは私が持ってきたものだから、こっちでは見慣れないものだった。