39.エルフって甘党?
「では、今日はこれくらいにしましょう。よく復習しておいて下さいね。」
「ありがとうございました。」
ふ~。とりあえず教科の授業は終わった。
本当に基礎知識だった。たぶん子供でも常識っていうやつだと思う。
最後の方はスイーツに関する質問の方が多かった気がする。
特に善哉や汁粉への反応がすごかった。もちろん冷たいやつ。
こっちは豆類が豊富みたいだから餡子はなんとかなるかもしれないなぁ。
もちろん精製したお砂糖もあった。メルバさんが根性で作ったらしい。
しかも、その理由が、蜜ではお菓子を作るのに不向きな場合もあるからというもの。
…どれだけ甘い物に目が無いんだろう。
「長の偉業の1つですね。しかも技術を公開なさいましたから、一般に普及するようになったのですよ。
これで長はルシェモモの英雄の中に数えられることとなりました。」
とフェラリーデさんが熱心に語ってくれた。
まあ、確かにお砂糖を精製するのって大変らしいけど。英雄って…。
一族にも、もろ手を挙げて絶賛されたそうだけど、エルフってもしかして全員甘党なのかな?
フェラリーデさんに聞いてみたら、「そうですね。」と軽~く返されてしまった。
1日に数回は甘い物を食べる時間があるらしい。
エルフのイメージが…。
頭脳労働者が多いからじゃないかと言われてるらしいけど…ホントかな?
しかも、昨日のメルバさんの様子を見てると、メルバさんはエルフの中でも群を抜いた甘党な気がする。
「では、次は地下の鍛錬場に降りていただきます。一昨日通られた広い場所です。」
話がそこで切り替わった。次の授業だ。
地下のって、一昨日クルビスさんと通った場所ですね。
シードさんともそこで自己紹介したんだっけ。
(あれ。でも鍛錬場ってことは…。)
「他の方もいらっしゃるんでしょうか?」
「いいえ。この時間は大半が巡回に回ってますし、残ってる者も外で鍛錬してますから大丈夫ですよ。
長とルシンだけのはずです。」
授業用に空けてもらったんだ。
わ~。これは頑張らないと。
「地下の鍛錬場なら周りに被害も出ませんので、思う存分練習して下さい。」
あ。それで地下でやるんですね。
被害って、何やらされるんだろう…。
そんなやり取りをしつつ、少しの不安と未知への期待を胸にフェラリーデさんと地下に降りて行った。
何故か、降りて行った先にクルビスさんと他に数名がいたのには驚いたけど。