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29.リンゴはアボカド

「美味しかった~。ごちそうになりました~。」



 ルシン君が胸に手を当てて満面の笑みだ。もう食べ終わったんだ。

 あの姿勢…これがこっちの『ごちそうさま』なのかな?



 手を合わせる代わりに礼の姿勢で感謝を示すんだ。

 いろいろ使えるんだなぁ。便利。



「ふふ。良い食べっぷりだったね~。足りた?」



「はいっ。お腹一杯になりましたっ。」



 ルシン君の食事って私の倍以上の量があったんだけど…。

 品数も多かったように思う。残ったお皿の数が多いし。



 でも、お皿に山盛りだった料理は綺麗に無くなっていた。

 すごいなぁ。成長期だからかな?



 今日の夕食ってボリュームあったと思うんだけど、すごい速さで無くなっていった。見てて気持ちいいくらい。

 おすすめの内容はポルテっていう何かの皮みたいなものに詰め物をしてスープに浸した料理がメインで、それに果物とサラダがついてる。



 ルシン君はそれにコロッケみたいな揚げ物とパンみたいな白っぽい塊のようなものがついていた。

 もちろん山盛りで。あっという間に無くなったからそれ以上はわかんなかったけど。



 果物はここではよく食事に付くみたいだ。

 ルシン君のポルテの中身はひき肉だったみたいだけど、私はつみれだった。…エビもどきの。



 何口か食べて気付いたんだけど、このつみれには他にいろいろな具が入っていた。

 食感といい、どうもお米が入っているように感じるのは気のせいじゃないと思う。



 お米は野菜ってやつですか。違和感あるなぁ。

 でもチャーハンやオムライスが出てきたくらいだから、米料理はちゃんとありそうだけど。



(お餅ってないのかな?…今度フェラリーデさんに聞いてみよう。)



 あー兄ちゃんの異世界文化垂れ流しに大いに期待して、米についてはそこで思考を中断する。

 ご飯ご飯。食事に集中しなきゃ。作ってくれたひとに申し訳ない。



 ここでスープを一口。このスープ、詰め物が違うとスープの味も違うみたい。

 ルシン君の方からは私のスープとは違うスパイシーな香りが流れてきてたからね。



 サラダはこれまた食欲をそそらないスカイブルーと濃い黄色のスティック状のものだった。

 なんでサラダだと思ったかと言うと、ルシン君がご機嫌でシャクシャク食べてた音を聞いたから。



 大根やニンジンのスティック状のサラダってあるでしょ?

 食べてみたけど、食感も味もあれとそっくり。…色は似ても似つかないけど。



 綺麗といえば綺麗かな。

 スカイブルーと山吹色みたいな濃いめの黄色のスティックが白っぽいガラスのコップに入ってる。



 スティックの先の方にソースが軽くついてたけど、マヨネーズみたいな感じ白いのソースだった。

 味もまろやかでほんとにマヨネーズみたい。こっちの方がちょっと淡泊な味だけど。



 こっちの野菜は美味しいよね。

 果物ももちろん美味しいけど、瑞々しくて味が濃くて新鮮だ。



 野菜一杯のスープとか好きだからこれは嬉しい。

 一人暮らし始めたらいろいろ作ってみたいなぁ。



 果物は昨日も食べたマンゴーにアセロラに緑色の…リンゴだった。

 味がリンゴ。でも緑。



 中身が全部抹茶ミルクのような柔らかい緑色…。

 でも、見た目に違和感はないんだよね。何でだろ?



(ああ、あれだ。アボカドだ。)



 食べながらしばらく考えて、ようやく答えにたどり着く。

 見た感じアボカドのスライスに見えるんだ。味はリンゴだけど。



 まあ、美味しい果物に違いないし、見た目も知ってる食べ物に似てるし、いいか。

 朝食の豆ごはんなオムライスの方が衝撃すごかったし。



 そんなことを考えつつ、夕食も美味しく全部いただきました。

 ごちそうさまでした。

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