22.クルビスさんがすねた
「…何でそんなに好きなんだ?」
うん?何だか昨日も似たような状態に陥ったような…。
微妙な緊張状態にどうしようかと考える。
(というか、何でこんな聞き方になったんだろう?別に怒ってるわけじゃなさそうだけど…。)
昨日は今よりヤバかった。
私の中の危機察知アラームが鳴り響いたくらいだもん。
でも、今日はそこまでじゃない。
なら、何で?そもそも私がドラゴンが好きって話になって…。
(まさか。)
私の中にある考えが浮かぶ。
でも、それならわかるんだよね。
「…クルビスさんの方が好きですよ?」
少し首を傾げながら言った途端、部屋の中の微妙な空気は霧散していた。
当った…。これが理由ですか。
(クルビスさん、嫉妬?っていうかすねてたんだ。)
確かに、私の口からはクルビスさんに関して何も言ってないのに、ドラゴンに関してははしゃぎながら話してるもんね。
私を好きなクルビスさんとしては面白くないか。
昨日よりマシなのは、昨日の夜に思いの端っこくらいは伝えたから。
大人の男がすねるって…可愛いじゃないか。
クルビスさんじゃなかったら、うっとおしいんだろうなぁ。
でも、クルビスさんがやると可愛いと思ってしまった。これも惚れた弱みですか。
「…もう一度。」
え?
「もう一度聞きたい。今の。」
ぼそりとクルビスさんがつぶやく。
あ、甘えられてる。くっ。可愛いっ。
「…好きですよ?」
目を見て言うのは恥ずかしかったので、耳元に顔を持っていって言う。
耳が何処にあるかわかんないけど、これだけ近づけば聞こえるでしょ。
言った途端に恥ずかしくなってすぐ離れようとしたけど、そのままギュッと抱きしめられた。
え?何これ?
「俺も好きだ。」
え?クルビスさんも告白?
展開早くないですか?