122.衝撃の告白?
コンコンッ
「リリィです。入ってもよろしいでしょうか?」
「いいよ~。どうしたの?」
話が終わってなごんでいたら、リリィさんが入って来た。
いつみてもカッコいいなあ。メラさんとは違うカッコよさだ。
女性騎士とかいたらこんな感じだよね。きっと。
女性なのがはっきりわかるのに凛々しいんだよね。あこがれちゃうなあ。
「フィルド様からメラ様に通信が入っています。」
「案外早かったな。」
「早く帰ってあげて下さい。拗ねると長いんですから。」
メラさんに用事かあ。
相手はクルビスさんも知ってるみたいだ。
メラさんは笑って席を立つと、隣の部屋に颯爽と向かった。
メラさんと並ぶと、170センチ以上あるリリィさんが小さく見える。頭1つ分は違うもんね。
「…連絡の相手は俺の父だ。母がいないから探してたんだろう。」
私がメラさんを見送っていると、クルビスさんが補足してくれた。
メラさん旦那様に内緒で来てたんだ。まあ、私の顔を見に来るのが目的だったんだし、1人のほうが良いよね。
でも、いなくなった奥さんを探すなんて、メラさん旦那様に愛されてるなあ。
いいなあ。仲良し夫婦かあ。あ、こっちでは番だっけ。奥さんも伴侶だよね。
「伴侶を探すなんて、仲が良いんですねえ。」
「まあ、そうだな。ドラゴンを伴侶に持つ番はこんなものだと思うが。」
「ドラゴンが相手だと皆そうなんですか?」
ドラゴンが伴侶と仲が良いっていうのは、ラノベで私の好きな設定だ。
その実例にお目にかかれるなんて、運がいいのかな?
「たしかに、ドラゴンの一族は相手への愛情が強いけど、メラちゃんとこは特別愛情深いんだよ~。共鳴出来るくらいだし~。まあ、最近はメラちゃんたちを見習って、他の子たちもより愛情深くなってるみたいだけどね~。」
メルバさんがさらに補足してくれる。
メラさんと旦那様は特別仲の良い夫婦みたいだ。
「共鳴が出来るんなら、すごく仲が良いんですね。」
「…ハルカ。意味がわかっているのか?」
「ええ。共鳴出来ると番とみなされるんですよね?…聞きました。」
だから、人前でやるのはちょっと恥ずかしいけど、共鳴が出来るのが貴重で重要なこともちゃんと理解してる。実行するのにためらいはない。
フェラリーデさんに本当の説明を聞いた日の夜は、恥ずかしさに1人で悶えまくったけどね。
でも、治療だって出来るし、ジジさんに聞いた感じだと、黒だから適応範囲は広いだろうし、私達の共鳴はかなり有効な手段だと思う。
嫌いな相手とじゃないんだから、使わない手はないよね。それに…。
(人前で共鳴を繰り返せば、「にせもの」への牽制になるかもしれないし。)
メラさんの話に出てきた「にせもの」は、私からしたらライバルだ。
メラさんの反応から考えて、仲良くなりたくないタイプみたいだし、共鳴はやれるだけやっときたい。
後の問題は、クルビスさんが私との共鳴をどう思ってるかだけど…。
「…クルビスさん?」
それが知りたいのに、クルビスさんから何の反応もない。
どうしよう。もしかして固まってる?
お~い。目の前で手をふりふり。
反応が無い。ただの屍のようだ。じゃなくて。
「あの。クルビスさんどうしたんでしょう?」
「そっとしといてやってくれ。ハルカ。衝撃の事実に頭がついていってねえんだ。」
困り果てて周りを見ると、シードさんが身を乗り出して説明してくれた。
面白そうな視線をクルビスさんに注いでいるけど、何が面白いんだろう?
衝撃の事実って、どの辺が?