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89.賑わう通り

 服を持って会計に行くと、店員さんが声をかけてきた。

 私じゃなくてシードさんにだったけど。



「よお。副隊長さん。今日はべっぴんさんを連れてるね。リリィ副隊長に言いつけちまうぞ?」



「今日は同僚の荷物持ちだよ。リリィに頼まれたんだ。」



「ははっ。そうかい。また寄ってくれよ。」



「ああ。」



 軽いやりとりに、シードさんも良く利用してるのがわかる。

 その間に私はカードを薄紫の箱の上にかざして会計を終わらせると、持参した袋に買った服を適当に畳んで入れた。



 こっちでは買い物には袋を持参するらしい。エコだなあ。

 アニスさんに渡された時は、こんなに大きな袋じゃなくていいのにって思ったけど、今は逆だ。これくらいじゃないと入らない。



「それじゃあ、次に行きましょうか。」



 アニスさんの一言で移動を始める。

 道はますます混んでいく。手を繋いでなきゃ、すぐにでもはぐれそうだ。



 通りを行きかうひと達の姿は様々だ。クルビスさんやシードさんみたいな爬虫類系の種族が多いけど、エルフや耳のふさふさした獣人もたくさんいる。

 皆、背が高くて周りを見渡せないのが新鮮だ。日本では背が高い方だったから、通りの先が見えていたのに。



 体色や髪の色も様々だ。黄色や赤、青に黒いラインが入ってるひともいるし、紫に黄色なんて組み合わせもある。大体2色か3色の色を持っているみたいだ。

 爬虫類系の種族は鱗がキラキラしていて宝石みたいに綺麗だし、エルフや獣人たちも自然な髪色だから艶があって派手だけどとても綺麗だ。



(守備隊とちょっと違うなあ。あそこはもっと地味な色合いが多かった気がする。)



 最初にお邪魔した時、1階には大勢の隊士さんがいた。

 緊張してたし、そんなによく見てなかったけど、今見てるような色の乱舞ではなかった。それなら絶対印象に残ってる。



 今朝会った数名の隊士さんも茶色とか濃い灰色とかが多かったし。

 色の濃いひとばかりで…。あ。色の濃いひとは能力が高いんだっけ。



 そっかあ。今ついて来てくれてるアニスさんといい、シードさんといい、こっちではエリートさんなんだよね。

 うわあ。今さらだけど、すごいひと達に護衛してもらってるんだなあ。



「っとすみません。」



「おお。わるいね。気が付かなかったよ。」



 考え事をしてたら、すれ違うひととぶつかってしまった。

 いけない。だんだん人混みが酷くなってきてる。



「アニス、ハルカ、こっちにこい。」



 シードさんの誘導で道の真ん中に出た。

 え。真ん中の方が混んで…意外と空いてますね。



「ここならいいだろ。物の流れが戻ってきたからな、今日は混んでる。はぐれるなよ。」



 本当に気を付けなきゃ。

 はぐれたら戻れる自信がない。



 シードさんに頷いて、アニスさんの手を握り直した。

 まだまだ買い物するんだから。

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