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Witch World  作者: 南野海風
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崩壊の兆し




 原因は判明していない。


 ある者は、何かしらの産業廃棄物や化学物質が海に漏れ広がったからだと提唱し。

 ある者は、連綿と重なる食文化が起こしたDNA反応の結果と推測し。

 ある者は、神の試練と言い張り終末論を語った。





 原因は判明していない。

 あるいはどれかが正解なのかもしれないし、どれも正解じゃないのかもしれない。


 ただ、一つだけはっきりしている。

 それは、あらゆる予想の何よりも強い可能性として、「魔女の呪い」が挙げられること。





 魔女の呪い。

 中世ヨーロッパでは弾圧された彼女らは、現代において、堂々と市民権を得た。





 原因は判明していない。

 女はいつしか超常の力を発揮し、魔法を使える女性を魔女と呼んだ。


 そして、魔女の台頭に比例して、奇跡の代償のように世界の男女比が崩れ始めた。


 魔女が増え、女が増え、男児の出産率が下がり、そして――





 世界はいつしか、男女比率3対7から、更に偏り、崩れつつあった。


 原因は、未だ判明していない。











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