逃亡の先
「…ナギサ…?」
「…っ?ハカネ、ちゃ…私…」
「いーい、ナギサ。私たちは…――――――――――――」
――――――
――――――――――――
思い出せば、彼らと一緒に帰らなかったから、こんなことになったのかもしれない。
今日この日、一週間の期限が切れようとしていた。
ナギサの護衛をすることになって今日が7日目。明日になってしまえば、私たちの護衛する側と護衛される側の関係はなくなってしまう。
普通の、クラスメイトという関係に戻ってしまうだろう。
彼女、ナギサは今日で最後ということを思ってか、今日日曜日に買い物に行こうと言い出したのだ。もちろん、本心は渋っていた、けれど。
「おねがいっ、ハカネちゃん!」
という何ともかわいらしい声+口調+上目遣いされますと。
=(イコール)了解するというものになってしまう。
まぁ、最後だからいいかなんて思ってる部分もあったけれど。
それから、彼女に付き合っていろんなショップを見て、試着したり、買ったり。女子特有の長い買い物が始まったのだ。
まぁ、自分も買い物が嫌いというわけではないけれど。
しかし精神的な苦労が絶えなかった。
自分の容姿は普通だと思ってる。だが、隣にいるこのかわいらしいお姫様はどこへ行っても目立つ。
いろんなショップを回っている私たちにいろんなナンパ連中がストーキングしているのを私は知っている。ほら、今だってこっちを双眼鏡で見ている…
……………双眼鏡?
なんで、出かけるのに双眼鏡を持ってるんだ。
私たちに出会うなんてわからないでしょうに。
標的は私たちで決まっているようだ。他の女性が彼らの視界に入ってもこちらからブレようとしない。
まさか、あの3人?
いや、違う。彼らはあんな怪しげな動きはしない。
斉藤達ならもっと私にばれないような動きをするはずだし、双眼鏡の彼らはいかにも私たちを狙っているような感じだ。
「…それでね、ハカネちゃん!…ハカネちゃん?どうしたの?」
「……ナギサ、走るわよっ!」
考えるよりも私の手と足が動いていた。
私の右手はハカネの左手をつかみ、そのままナギサを連れ去るように地面を蹴った。
ちらりと後ろを振り向けば、双眼鏡を持った彼らがあわててこちらへ来るのが見えた。
やはり、彼らの狙いは私かナギサ。いや、あるいは両方かもしれない。
そこでふと彼らの正体がわかった。
物陰に隠れて見えなかったが、彼らの着ている衣服は制服で、私の通っている高校と対立していた高校の制服だった。
対立していた、過去形なのは、以前私の通っている高校が彼らの高校をつぶしたと聞いていた。まぁ、高校は残っているがあまり派手な動きをすることはなくなった。
そんな高校が私たちをストーキングする目的はひとつ。
―――――――復讐だ。
きっと姫であるナギサを拉致するつもりなんだ。
そして、その姫から離れないこの”女”の私も。
「は、ハカネちゃっ!?ど、どうした、の!?」
いきなりナギサの手を引いて走り出した私にナギサは状況を理解できていない様子だった。まあ、この子じゃなくてもきっと知らない人は理解できないだろう。
でも、今はすべての状況を話す余裕なんてない。
今は、逃げなくてはいけない。
はい!
憧れていた逃走劇。
まぁ、そこまで大げさではないのですが…(笑)
ハカネちゃんとナギサちゃんは奴らから逃げ切れるのかっ!?
それは次回!中途半端ですみません^^




