8. 計画
スヴェンたちは翌日も、翌々日も朝から屋敷を空けた。出払っているので、彼らが戻るまで、双子たちと修練場でトレーニングを行った。
「いま戻った。調査結果、あの周辺に他の魔物はいなかった。しばらくは兵士を置くが。今回のトロールはたまたまだろう。」
「よかったです。やはり別の森から紛れ込んじゃったんですかね。私たちもあの洞窟の調査は終わりました。」
「そうかそうか。じゃあまたもう一戦!」
「臨むところ……!」
「おい、エディーはエーヴェルトの墓所を調査しに来たんじゃないのか?」
それから遠巻きで皆の様子を見ていたリアスが、少し不機嫌そうにこちらに寄ってきた。
「ああ、エーヴェルトの墓所か。そんなこと言っていたな。あそこは見つかった時には既に盗掘されていて、行っても面白くないぞ。」
スヴェンがつまらなそうに答えた。まあ確かに、私もエーヴェルトと同じ未来視を持っていなかったら、彼の史実に強烈な興味を持つこともなかっただろう。
「それでここからどのくらいあるんだ?かなり分かりにくい場所なんだろう?」
「ああ。あそこは、馬ではいけない。歩きで一時間ちょっとか。もともとあの遺跡を発見したのはうちの私兵なんだ。明日、案内してやるよ。」
「ありがとう、スヴェン。」
礼を言うと、子どもたちも騒ぎ出した。
「僕たちも遺跡行きたい!」
「あたしも行きたい!」
「おお、そうだな。連れて行ってもいいか?遺跡と言っても、大したもんじゃないがな。」
「いいわね。皆で行きましょう!」
「シモンも行こう。どうせなら、皆で行くぞ。」
「おいこれは、ピクニックじゃなくてちゃんとした魔法研究所の調査なんだぞ。不慣れなものが入って、残存した呪いがあったらどうする?」
リアスが少し不機嫌そうに言った。
「あそこは何にもないぞ。それに呪いなんて俺が吹き飛ばしてやる。ははは。」
それから居間で下調べの資料を見せて、遺跡の構造について説明した。皆で行くなら、予め情報を共有しておいた方が良いだろう。
「まず、入ってすぐが階段。下層に降りるとまず前室があって、その廊下の奥が霊廟です。前室と廊下に複数罠が仕掛けられていますが、右側を歩けばそれにかかることはありません。今回の調査対象は前室と霊廟に残された壁画です。あと魔力残滓についても調査します。」
「チビたち、俺から絶対に離れるなよ。」
「はーい。」
「そこの小生意気な坊主も、返事は?」
「俺は護衛もいるし、遺跡調査には慣れているから大丈夫だ。」
そう言って、リアスがあごで私をさした。全く相変わらず、かわいげがない態度だな。
「遺跡は稀に未発掘の隠し罠や部屋が見つかることがあります。防具と数日分の食料は持参したほうがいいでしょう。」
「うちは魔獣討伐でよく遠出をする。用意ならいくらでもあるから、好きに使え。」
「ありがとうございます!」
「ねえねえ、エディー。遺跡には現代では失われた魔法が見れるんでしょ?」
「新しい魔法覚えたい!」
スヴェンの双子が飛び跳ねた。皆で倉庫を漁り、荷造りを整えた。
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