戻った生活。
久しぶりの学校。教室に入ると、俺の暴力沙汰が広まっていて、クラスのやつらにいろいろ聞かれまくった。
「相手、10人だったんだろ? すげえな!」
「ムシャクシャして殴ったんだって? しかも片手だけでやったんだろ!」
噂が噂を呼び、まるで俺が超人みたいになってた。
ハブられずに済んでるだけマシと思い、適当に受け流した。
クラスはもう修学旅行ムードで賑やかだ。
(うわ、修学旅行のことすっかり忘れてた…)
班は部活のメンバーと一緒だったので、ホッとした。
昼休み、校長室に呼ばれ、「もう暴力は絶対にするな」とキツく念を押された。
授業が終わり、2週間ぶりの部活へ向かうと、部室にジュンヤとヤマトがいた。
「ジュンヤ、久しぶり!」
「サトシ先輩! 謹慎解けてよかったっす! 俺の友達がヤマトにひどいことして、ホントすみませんでした…」
「いや、ジュンヤは何も悪くねえよ。俺こそ、友達ボコボコにして悪かったな。」
「…先輩、顔が怖いっす。それ、悪いと思ってない顔ですよ。」
思い出すと、ついムシャクシャする。
「まぁ、ヤマトにあんなことしたやつらが悪いなんて思ってねえけどな。」
「あいつら、いいやつらじゃないんで…。でも、先輩が復帰してよかったです! 先輩いない間、ヤマト元気なかったんで。」
ヤマトがジュンヤをバシッと叩く。
他の部員と顧問も集まってきたので、とりあえず謝った。
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「いやぁ、2週間ぶりの部活は体にキツいな…」
部活が終わり、ヤマトと二人で帰る。
「もう、僕のためにケンカしないでくださいね! 先輩が怪我したら、悲しくなりますよ。」
「もうしねえよ! …たぶん。」
「もう!」
「悪かったって。寄り道してくぞ。なんか食いに行くか?」
「はい! ポテト食べたいです!」
「お前、チョイス地味だな。」
ハンバーガー屋に入り、ポテトの特盛りを頼んで二人でつまむ。
「でも、先輩いないと学校つまらなかったです。めっちゃ寂しかったです。」
「もうそれはわかったよ。そんなこと言っても、俺、来週から修学旅行だぞ。その間どうすんだ?」
謹慎中に班分けや行き先はもう決まってた。
「え?」
「大阪とか京都、4泊5日な。」
「ついて行きます!」
「お前は来年だろ!」 頭を軽く小突く。
ヤマトが机に突っ伏す。
「先輩と同い年だったらよかったです…そしたら…」
「お前みたいな暗い奴が同い年だったら、絶対話しかけねえし、友達になってねえよ。」
「ひどい…」
冗談のつもりだったけど、ヤマトは本気で傷ついたみたいだ。
「いや、冗談だって! ヤマト!」
こいつの冗談の通じなさは異常だ。それだけ純粋なんだろう。
「お土産買ってくるから、何がいい?」
「んーと、鹿せんべい?」
「お前、それ鹿の餌だぞ…人間も食えないことはないと思うけど。」
「え!? じゃあ、八つ橋でいいです!」
「了解、覚えとく。ちゃんと我慢しろよ。」
「先輩と二人で旅行したいです。約束してくれるなら我慢します。」
「…わかったよ。どこ行きたいか決めとけ。夜は電話するから、我慢しろな。」
「はい!」
正直、俺だってヤマトがいないと寂しい。でも、こいつほどじゃない。
ヤマトの寂しがり屋っぷりは、ほんと群を抜いてる。
いつもの日常に戻ると、時間はあっという間に過ぎ、修学旅行当日を迎えた。




