余計なお世話
「ヤマト、たまにはさ、俺以外のやつと遊んだらどうだ?」
「なんでそんなこと言うんですか?」
「いや、いつも俺とばっかり遊んでるだろ。たまにはジュンヤとかと遊んだらどうかなって。」
「…僕と遊ぶの、嫌いですか?」
「いやいや、そんなわけないって! ただ、ジュンヤとか他のやつとも遊ばないのかなって思っただけ。」
「同級生は苦手なんです…。たぶん、僕なんかと遊んでも楽しくないって思われてると思います。」
(こいつ、すぐ悲観的になるな…)
「友達、作ってみなよ。ひとりでもいいから。」
「必要ないですよ。」
「お前、俺が卒業した後、友達いないとまたひとりになるぞ。」
「…」
ヤマトは数秒黙った。
「…わかりました。友達、作ります…。」
「マジか! 約束な!」
ヤマトがちゃんと友達を作ると言ってくれたので、俺は信じることにした。
「でも、どうやって作ればいいんですか?」
「ジュンヤに紹介してもらえば?」
クラスの友達とは今さら遊びにくいってことで、ジュンヤの中学の友達と次の日曜日に6人くらいで遊ぶことになったらしい。
(クラスの友達作らないと意味なくね?)
そう思ったけど、ヤマトが楽しそうに話してきたから、黙っておいた。
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その日曜の夜、ヤマトから電話がかかってきた。
「せ…先輩…」
声に元気がなく、泣いている。ずっと泣いていたのか、声は枯れていた。
「どうした!? なんかあったのか!?」
「…」
「言ってくれないと、何があったかわからない。ひとりでどうしようもなくて電話してきたんだろ?」
ヤマトは震える声で、今日の出来事を話し始めた。
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日曜の昼間。
ジュンヤも一緒に遊ぶ予定だったけど、風邪で来れなくなったと連絡が来た。結局、ジュンヤの友達4人とヤマトの5人で買い物に行ったらしい。その後、誰かの家で遊ぶことになった。
そこで事件が起きた。
「ヤマト君もゲームやる?」
みんなでレースゲームに盛り上がる中、ひとりが気を使って声をかけた。
「…大丈夫です。」
「お前、もっとハッキリ喋れよ! 何言ってるか聞こえねえし、ムカつくんだよ! ナヨナヨして女かよ!」
リーダー格のやつが、ヤマトの存在にイラついていた。
「お前が男か女か、確認してやるよ。ジュンヤには絶対言うなよ。」
そう言うと、他のやつらに命令してヤマトの両腕を押さえつけた。
リーダー格がヤマトのズボンとパンツを無理やり脱がした。
「や、やめてください…嫌です…」
「うるせえな。ちゃんとチ○コついてんじゃん。使えんのか、これ?」
ヤマトの性器を触り、勃たせたりして、みんなで面白がった。
「うわ、勃った! 気持ちわりぃ! お前、男に触られて勃つのかよ!」
面白がって、ヤマトの写真を撮り始めた。
「写真、撮らないで!」
リーダー格はさらにヤマトの性器を触り、今度はしごき始めた。
「あっ…あっ、やめて…」
「感じてんのかよ、キモいな!」
「ダメ…手、止めて…あっ!」
ヤマトがイキそうになった瞬間、リーダー格が手を止め、腕を解放した。
「射精されて汚されても困るわ。」
「なんで…こんなこと…写真、消してください…」
「うっせえな。ジュンヤに何も言わなきゃ、写真は何もやらねえよ。けど、言ったらこの写真、いろんなやつに見せるからな。さっさと帰れ!」
そう言われ、ヤマトは家に帰り、ずっと泣いていたらしい。
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「…」
俺は言葉を失った。
怒りが込み上げてきた。あいつらに対して。そして、友達を作れと言ってしまった自分にも。
「先輩…僕、もう死にたい…あんな目に…」
「ごめん、俺のせいだ。…今、会いに行く。」
「うん…」
怒りを通り越して、殺意すら芽生えていた。
電話は切らず、急いでヤマトのところに向かった。
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ヤマトの部屋に着くと、ベッドにうずくまって泣きじゃくっていた。
そっと抱きしめ、泣き止むまでそのまま抱きしめていた。
「あんなやつらに体触られる前に…先輩に触ってほしかった…」
こんな時に…と思ったけど、ヤマトは本気だった。
「先輩…触ってください。」
抵抗する気になれず、俺は流れに身を任せた。
「触ってください…」
ヤマトの股間をズボンの上からさすると、気持ちよさそうな声を上げた。
「脱がせてください…」
俺の顔が赤くなり、ヤマトが微笑んだ。
その微笑みは、まるで小悪魔のようだった。




