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『忘却の都市』 予期せぬ対峙
俺は息を詰めた。
突然、目の前に現れた人物——。
最も強く違和感を覚えたのは——その気配。
わずかな時間とはいえ、確かに俺はデバイスを起動しており、未熟ながらも、周囲の気配を察知する程度の感覚は身についていると思っていた。
——それなのに、この人物の接近に全く気づけなかった。
警戒心が一気に跳ね上がる。
「……誰ですか?」
低く問いかける。
しかし、仮面の人物は、何も答えない。
男は静かに、しかし確実にこちらへと歩み寄ってくる。
そのただならぬ気配に、俺は本能的に一歩後退した。
次の瞬間——。
ピシッっという短い音とともに、地面に小さな亀裂が走った。
仮面の男の手元には武器らしきものは見えない。
だが、地面には明らかに今、何かをしたような痕跡が残っている。
背筋に冷たい感覚が走る。
まるで、夏希との訓練で感じたデバイスを使う者と戦っているような感覚——。
自分の最大稼働時間はいまだ4~5秒。
この状況は——最悪だ。




