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『忘却の都市』プロローグ
はじめての投稿です!
宜しくお願い致します(^^♪
目の前に広がるのは、見覚えのない場所。
......いや、違う。
「身に覚えがない」という表現では、何かが足りない。
確かに知っているはずなのに、その輪郭だけが不鮮明なまま浮かんでいる。
遠くから響く音、規則正しく並ぶ建物、一定のリズムで流れる空気。
すべては「現実」であるはずなのに、どこか夢と現実の境界にいるような感覚が拭えない。
——思考がゆっくりと形を持ち始める。
霧が晴れるように、曖昧だったものが少しずつ結びついていく。
まるで、散らばっていたピースが、一つずつはまっていくように。
やがて、視界が少しずつ鮮明になっていく。
そして——。