道標
少し疲れているのかもしれない。
最近よく眠れないのだ。
正直、悩みはある。
経済面、健康面、人間関係と数えればキリがない。
だが他人に悩みを打ち明けて解決できるほど若くはない。
私のような年男が他人の前でみっともなく泣き崩れたら、同情を買うどころか避難を浴びてしまうだろう。
己の立場くらいは弁えている。
希望に満ちた未来を信じられるほど綺麗な心は持っていない。
路傍の石に蹴躓いては後悔を繰り返すだけの凡愚だ。
生きている価値など生まれた時から無いという事だけは十分に自覚しているつもりだ。
もうこうなってしまえばどうする事も出来ない。
今となっては懸命に足掻く事だけがせめてもの抵抗か。
いや違う、潔く運命を受け入れる勇気さえ持ち合わせていないのだ。
毎度毎度ながら自分という物が嫌になってくる。
前に進もうが、後ろに戻ろうが成し得なかった或いはやり残した事だらけで思うままに出来ない。
足元に広がる泥濘は底なし沼で、私を私という最も受け入れがたい現実だけを渡しにつきつけてくるのだ。
はっきり言って辛い。
しかしこれに打開策など最初から無く、結局はやるしかない。
成し得たところで何が待っているというわけではないが緩慢な死をただ受け入れるよりは幾分かマシなはずだ。
ゆえに足掻くしかない。
無様に足掻いて、地を這って前に進み、せめて生きている事を自分が認めてやらなければやっていた事全てが無駄になってしまう。
結局のところ私という人間は醜さだけで生きているのだろう。
さあ、弱気を気取るのはこれで終わりだ。
目を開き、立ち上がり前に進む瞬間だ。
どうせどう足掻いても私は私にしかなり得ない。
だったら私は私のままで生きて行こう。
その先が今より少しだけマシになる事を信じて。
――「ウマ娘」の十連ガチャを五回外した後の心境。
ダイワスカーレットなんて最初からいなかった説。
あのクソ長いDL時間は何だったんだ‼