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しいなここみの交通エッセイ

省燃費運転のコツ

 初めに言っておきますが、私の運転はそれほど燃費が良くはないです。悪いほうよりは良いほう寄りですが、普通です。

 でも『こうすれば自分の車の燃費はよくなる』という運転の仕方は知っていると自負しています。後述する理由あって故意にそれを完全に行ってはいませんが。


 さて今回は『どうすれば燃費のいい運転になるか』、そして『わざわざ燃費の悪い運転をしないためには』というお話。




 燃費がいい状態というのはどういう時か? 自転車を漕ぐ時のことを考えればわかりやすいです。

 これがもし自転車だったら『漕ぐのがキツイだろうな』と思うような時、車も燃費が悪くなります。

 例えば登り坂、止まったり発進したりを繰り返す時、等々。


 そういう場合でも、運転の仕方によっていくらか燃費を良くすることも出来ます。


 例えば登り坂。基本的には、短い登り坂なら勢いをつけて素早く登りきったほうが燃費はいいです。登り坂のてっぺんで前の車が停止しているなら、坂をブレーキ代わりに使って、その後ろにつくまですべて慣性で登る(平坦なうちにスピードを上げておいて、登り坂をアクセルから足を離して登る)ようにすれば、燃費が悪くなるはずの登り坂で、かえって燃費が良くなります。


 これが長い登り坂になるとすべて慣性でなんて登りきれませんので、アクセル踏もうがノロノロ登ろうが、自車の燃費だけ見るなら大して変わりません。私は速度を変えないかやや上げ気味にしてサッサと燃費悪化ゾーンを抜けてしまうようにしています。


 ただ、実を言うと長い登り坂で燃費を良くする方法というのは、あります。はっきり言って絶対にしてほしくないことなので、後述することにします。



 信号の多い街中も、ストップ&ゴーの繰り返しになるため燃費が悪くなる場所です。せっかく上げたスピードを維持できず、またとても燃料を多く消費する0km/hからの発進を何度もさせられるためです。そんな場所でも、なるべく停まらないように走れば、燃費の悪化を抑えることは出来ます。赤信号の手前で20km/hぐらいまで落とし、青になるのに合わせて40km/hまで上げるような運転をすれば、0km/hからの発進がなくなりますし、スピードもある程度の維持が出来ます。


 ただ、上手にやれればいいですが、上手でない人がこれをやるとエコ運転ではなく『エゴ運転』と呼ばれます。この理由についても後述します。



 さて、次に、どういう時に燃費は良くなるのかについて、また自転車を例にとって、考えてみましょう。

 自転車を漕いでいる時、どういう時に『楽だ』と感じるか? あ。もちろんこれは普通の自転車の場合ですから、電動アシスト自転車は除きます。つまり車もハイブリッド車は除きます。


 一番楽なのはたぶん漕いでない時、自転車から降りて寛いでる時だと思いますが、これももちろん除きます。車でいえばそれはエンジンをかけずに駐車している時に相当しますので。

 ちなみに車の場合、アイドリング時は燃費が最悪の状態です。エンジンは回っているのにまったく進んでないわけですから。エンジンの無駄回しです。


 自転車に乗っている時に限れば、一番楽なのは慣性で進んでいる時です。追い風や下り坂ならさらに楽ですよね。


 自動車の燃費を競うレースがあります。『エコラン大会』だったかな?←調べるのがめんどくさい

 このレースで基本的に使われる走り方が『目的のスピードまでアクセルを踏み込んで速やかに上げて、あとはアクセルから足を離し、慣性のみで走る、を繰り返す』のだそうです。

 つまりこれが車の燃費を最もよくする走り方。


 しかしこれを公道でやると顰蹙を買います。前述した通り、上手い人が信号が変わるタイミングに上手く合わせてやれば問題なく出来る場合もありますが、大抵の場合は問題が起きます。


 道路が渋滞する最大の原因となるのは『速度変化』です。これはまた別のエッセイにするつもりですが。


 渋滞すれば車の燃費は悪化します。当然です。ストップ&ゴーの繰り返しになるのですから。


 結論を言えば、公道でエコランの走り方(速やかに加速して、あとは慣性のみで走る)をすると、渋滞が発生します。自分の車の燃費だけはよくなりますが、後続車列の燃費は後ろになればなるほど悪化します。

 前述した通り、登り坂を慣性で登れば自分の車の燃費はよくなります。長い坂でも坂に負けながらどんどん速度を落とし、頂上まで速度を落とし続けるのが燃費のよくなる走り方です。

 しかし自然渋滞の最たる原因は、よく言われるように『登り坂での速度低下』なのです。

 直後の車は最初のうちは一緒に慣性で登れますが、頂上付近まで先頭は慣性を持続できたとしても、一つ後ろの車はもちません。途中からエンジンを使うことになります。

 その後ろはさらに、後ろに行くほどエンジンを使わなければ坂を登れなくなります。

 後ろの後ろのほう、まだ平坦なところを走っている車も速度低下することになります。車間距離が詰まってブレーキを踏んでしまいます。

 列が長ければ後ろのほうは停まってしまいます。


 自分の車の燃費さえよければいいというわけではないのです。


 自分の燃費だけ考えて、登り坂でアクセルを踏まないのはエコ運転ではなく『エゴ運転』になります。


 登り坂ではむしろアクセルを踏み、速度を上げてください。


 これも前述した通り、長い登り坂ではアクセルを踏んでも大して燃費は変わりません。どうしたって燃費の悪くなる場所なのですから。



 とは言え、わざわざ必要もなく自分の車の燃費を悪くしてしまうことはありません。

 後続の車間距離が近いからといって急がず、逆に怖がったり嫌がらせのために速度を落としたりせずに、あくまで平常心の一定ペースを保ちましょう。

 目の前の信号が赤なのに、急いで停止線まで行くことはありません。

 自転車で停まる時、ペダルを漕ぐ足を止めて、慣性で停止線まで行くでしょう?

 車も同じように、停まる時はエンジンを使わず、慣性でスムーズに停止線まで行ってゆっくり止まればいいのです。




 結局、自分の燃費も周囲の燃費もちゃんと考えるのなら、一番いいのは『一定速度での巡行』です。


 速度変化をなるべく作らないように、ペースを変える時には緩やかに。


 これで自分の車の燃費は普通よりはちょっとよくなり、みんなの燃費も上がります。


 自分の燃費ばかりではなく、日本の燃費をよくしましょう。



 年末、車の多くなる時期です。

 車間距離を適度にとって、それをちゃんとクッションとして使い、前の様子を遠くまで見て予測をし、なるべく速度変化を作らない運転をしてください。

 それが渋滞を作らず、日本の燃費をよくする走り方なのです。





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― 新着の感想 ―
[一言] しいなここみ様 すごく勉強になりました! また拝読したいです、「しいなここみの交通系エッセイ」!!<(_ _)>(*^-^*) ではまた! まきのしょうこ
[一言] 赤信号で止まっている時に ドライブでブレーキより ニュートラルの方が ガソリンを送り込まないからエコではないか?という議論がありましたが アイドリングの方が悪いですか? アイドリングストップ…
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