8話 出陣
初戦。敵方の先制にもかかわらず、たった1人の悪魔に全滅させられる。まさしく悪夢。後の彼についての書物の第1段落である。
初戦が終了したのは天使軍が到着したたったの5分後であった。
「お疲れ様です。ミクセル様」
「おお、ラスクか、出迎えご苦労さん」
「まさかAMFをあんなに一瞬で出されるとは。驚きましたぞ」
そういったのは悪魔の幹部の一角。魔導師団団長ヴィルヘルム・ウル・バロムである。悪魔からはよくヴィルとの愛称で呼ばれている上級悪魔である。
「いやあ。魔導師団長から褒められるとは光栄なもんだね」
「謙遜しなさんな。あなた様の実力は既に私より上です」
「さて、真面目に対策をするか。次はお前らにも手伝ってもらう。まずはラスク、見たところおまえは魔法と物理が得意らしいな。先鋒で切り抜けてくれるか?」
「攻めるつもりですか!?というかなぜ私が物理攻撃が得意だと分かったんですか!?」
「まぁそこはスキルの問題だ。気にするな。んで、問題はないね?じゃあ次に...」
こうして会議は進み、いざ出陣の日となった。だがここで一つ問題ができた。
「うん?結界?どういう類だ?」
「それが、どうやら我々には破れぬ聖属性結界だそうです」
「そうか、じゃあ3時間程俺の護衛を頼む。出発は3時間後だ」
「ハッ!」
俺の『スキル作成』は想像力が問われる。普段ならすぐに想像できるが、あれだけ惨殺したあとである。流石に気が荒ぶる。まずは気を落ち着ける。それだけに3時間とったわけではない。2時間あれば気は落ち着くが、1時間で、あることをしたかった。ちなみにもう既に結界破りのスキル『全属性結界無効』は獲得済みである。何をするのかと言うと、
スーラに、防御能力や攻撃能力をあたえたかったのである。
彼は城に置いておこうとしたが、あまりにもかれがキューキュー言って仕方がなかったので、最低限守れるようにしたかったのである。しかしこれが難しい。
「キュー(主人の能力を使えればいいじゃないですか)?」
ああ、それだ!
「ナイス!!スーラ!」
そうしてできたスキル『魔法分割』
仲間との絆を深めれるスキルである。
「さて!!!皆!!行こう!」
...
「出陣!!!」