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「必要なものは持っていくように」
彼女のお父さんは彼女にそう言ってものを持っていくように促してきた。
「あ、うん」
彼女は急いで自分の部屋に駆け出して行った。
「ちょっと、走らないの!妊婦さんなんだから」
母親が彼女を止める。
「うーん」
彼女は返事をして、部屋に入って行った。
「君はこれでいいのか?」
お父さんが多分だが、俺に話しかけてきた。
「俺は現状でも十分幸せなので、別に一切問題ないです」
「そうか、それならいいのだが...」
「なんかあるんですか?」
「いや、娘が...」
「そんなことないですよ。さっきも言った通りで、2人で合意した結果です。最初は、報告に来るのこと自体をしないなんて予定もあったんですけど、やっぱり、2人で話し合ってこういう大事なことはちゃんと話さないといけないとなりまして、今日は報告に来たんです。だから、あまり気を張らないでください」
「・・・」
お父さんは俺の言葉に対して、何も返さず、じっと俺を見つめてきた。正直に言わせてもらうと、恥ずかしい。あんまり、じっと見つめないでほしい。
そんなことを思っていると彼女は自分の部屋から出て、俺のところに来ていた。
「必要な物は持ったからいこ。さっき、追い出されちゃったみたいだし」
「うん、そうだね」
俺が返事をして、俺達が玄関に向かおうとした時、呼び止められた。
「ちょっとまて。一つ言うことがあった。そちらの親御さんとの話が終わった後、私のところに電話をかけてくれ。そして、そちらのご両親と話がしたい。頼む」
彼女の父は最後にそう言った。
「分かった」
彼女は少し素っ気なく返事をした。その時、彼女は、自分の父が何をしたいのか不思議な様子だった。
俺達はそのあと、お母さんとお姉さんに見送られて、彼女の家を後にした。
あれ?なんか、普通に受け入れられた感じで終わっちゃったな。
これ、展開的におかしくない?




