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俺達は敢えて言葉で返事をせずに目で返した。
「2人とも無理はしないようにね」
「はい」
「うん...」
彼女のお母さんがそう優しく話しかけてくれる。もし、こっちのお母さんの方がとんでもなく、口を出してくるタイプだったら俺は多分、今、この家にいない上にボコボコにされていたかもしれない。と、これは勝手な憶測な上に、かなり失礼なことを言っているからここでやめる。
こんな俺の無駄な余談はどうでもいいが、うんと答えた彼女は親に対して本当に申し訳ないみたいな顔をしていた。いや、でも、俺達合意の上...もうこれ以上は野暮なことは考えないようにしようと俺は考えた。
「まさか、私よりさきに結婚するとはなー」
彼女のお姉さんが1人で大きな声でボソッとそんなことを呟いていた。
「これから君の家族の方に報告に行くのかい?」
「はい」
お父さんが俺に話しかけてきた。俺は取り敢えず端的に答えた。
「そちらの家はどのような感じだ?」
彼女の父親に俺の家族のことについて聞かれた。
「自分も大学には通ってますけど、実家暮らしなので、彼女は自分の家で一緒に住んでいたので、自分の家族は彼女のことを認知しています。そして...恥ずかしいのですが、毎日夜の行いの音が漏れてたので多分ですけど、こうなることは分かっていると思ってるので身構えはできてると思います。後、うちは経済的な余裕がないので、元々経済的な支援を受けれることに期待はしてません。だから、気を遣かわないでください」
「そうか...」
彼女の父はそうか...と短く反応して、自分の行動を振り返っているようだ。
「お義父さん考えなくていいです。自分達は、自分達の意思でこの道を選んだので、後悔などはありません」
「・・・」
俺の言葉を聞いて黙ったんだが、それが一番困るんだけど。
「もし、大学を辞めて、自分達のした行いを考え改め、そのお腹の子を覚悟を持って育てるというのなら話は変わってくる。そうなった場合は私のところに来なさい」
「はい...」
「この道は想像を絶するほど厳しい筈だ。甘えないように」
「はい...」
ここの俺とお父さんの一連の話の流れはなんというか、ちょっとカッコいいな。いや、保険がある時点でそうでもないか。
「さっき君は私のことをお義父さんと呼んだが、私はまだこの結婚も認めてないからな」
圧がすごい...
最後の最後にこういうのは吹きそうだからやめてくれ...




