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「ふー。2人の自由にすればいい」
「「はいっ。ありがとうございます!」」
俺達2人は同時に返事をした。
彼女の父はどこか落ち込んでるような、半分諦めたような表情でそう言った。
「まさか、こんなことをする子だとは思ってなかったから覚悟してなかった...」
お父さんは目を伏せて言葉を綴っていく。
それはそうだろうな。自分の可愛がってきた娘が、意味のわからないタイミングで妊娠と結婚。納得し切れるはずがない。多分今は、状況が一気に起きすぎたから混乱しているのだろう。冷静になってしまえば、さっきの答えはもらえず、必死に止められるだろう。俺達2人を切り裂き、新たな生命を犠牲にしてでも。多分、本人もそれが分かっているから、俺達に自由にしていいと許可を出したし、考えないようにしてるのだろう。ああ、俺達はなんて親不孝なことをしているのだろうな。きっと彼女もこんな思いをしている筈だ。
俺達は一礼して、立ち上がった。
「いいの?」
「ああ、2人は自分達の人生までかけた覚悟があるみたいだから」
俺達は立ち上がった後、玄関の方に歩み寄ろうとした時だった。
「だが、そのかわりに我が家は一切の支援をしない」
彼女の父は俺達2人に真剣な眼差しを向けてそう言い切った。
「コミュニケーションぐらいは許すがそれ意外は基本的にうちに頼ることを許さない。うちの敷居を跨ぐこともだ。2人はそのぐらいの覚悟を持って、これからの人生に臨んでいくのだろう?」
そう言った彼女の父の姿はどこか寂しそうな雰囲気だった。実の娘にこんなことを言いたい親なんていない。これは、俺達の覚悟をそれほどのことだということを教えるために言い放ったのだろう。




