表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/4

1 ローゼキ=カタシグレ

初投稿です。


たぶん、というか絶対痛いので、生暖かい目で見ていただけると幸いです。

虧月(きげつ)


立ちはだかる大樹に向かい、木刀を振りかざす。


それを追いかけるように、風が鳴く。


ヒュッ――


樹と木がふれあい、僅かに傷をつけた。


もう一度、その過程を踏んだ。


更にもう一度


更に更に


何度も何度も何度も繰り返す。


しかし、それは僅かにしか刻まれることはない。


何度繰り返そうが結果は変わらないように見える。


しかしながら、確実に、変化は起こる。


眉に水滴が滴り、思わずそこを拭う。


果たして意味はあるのだろうか。


僅かながらも、確実に進む。


その過程を


鍛錬


俺はそう呼んだ。



「ローゼキ、飯の時間だ」



「今いく」



父親に声を合図に、鍛錬は終わる。


そして木刀を収め、父親のもとへ向かう。



「調子はどうだ」



肉を頬張りながら父親は俺に問う



「まあまあかな」



「まあまあって何だ」



「いつもと変わらないってこと」



相変わらず肉を好む父親は、少し顔をしかめた。



「明日 ”ウォールガルド” へ行くんだろ? そんな弱気じゃ、先が思いやられるな」



「大丈夫、これでも少しは頑張ったんだ。 なんとかなるはず」



その言葉に続いて言った。



「たぶん」



まだ大量にあったはずの肉が、いつの間にか全て骨に変わっていた。



「あまり無理をするなよ」



そう言い残し、父親は立ち去った。


明日、俺はウォールガルドへ向かう。


あまり感情を見せない父親が、たまに優しさを見せる時がある。


そんな姿も、やり取りも暫くはお預けになる。


思わず俺は、父親を追いかけた。



そして――



「骨」



「何の話だ、ローゼキ」



「自分の食べた物くらい片付けてくれ」



父親は逃げた。

お読みいただきありがとうございました。


ゆっくり投稿したいと思うので、気長にやっていきたいです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ