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帽子男の短編集

内来患者

作者: 帽子男

 ある医師が指さし棒のような新たな診療器具を開発した。それは体の部位を指すとそこの臓器がまるで患者のように自分はこういった病気になっていると相談するといった物だ。彼はさっそくそれを自分の体に試してみてみようと思った。

 まずは、肝臓から調べることにした。機器を自分の腹の右上を指しボタンを押した。機器からは人のしゃべり声の様なものが聞こえた。


肝臓「私はあなたが毎晩お酒を飲むので酷使されています。どうか休ませてください」


 なるほど、確かに彼は毎晩を飲み研究の疲れや嫌なことを発散する為飲んでいた。次に彼は腹を指しボタンを押した。


胃「私はあなたが毎晩炭酸入りのお酒を飲むので吸収するので忙しいです。休ませてください」


 また酒の飲みすぎで怒られてしまった、本格的に禁酒しようか。次に彼はその下の腸を指しボタンを押した。


腸「私は毎日あなたの食べている物を消化していますので休む暇がありません」


 確かに毎日働かせているとは思うが人間は食べなければ生きてはいけないのでしょうがない。次に彼は右の胸を指しボタンを押した。


肺「私はいつも酸素を取り取り込なければいけないので休む暇がありません」


 これも止まっては困るのでしょうがない、文句は言うが動いているから特に病気など無いのだろう。彼は左の胸を指しボタンを押した。


心臓「私はいつも体すべてに血液を送らなければいけないので休む暇がありません」


 これも肺と同様に止まっては困るので大丈夫だろう。彼は今まで調べた臓器は飲酒以外には特に問題がなさそうだったのでホッとした。が、一つ疑問が出てきた。これらを管理する脳は彼らのこういった文句にどう対応しているのだろうと。彼は器具を頭を指しボタンを押してみた。


脳「私は他の臓器が文句ばかり言うので飽き飽きしています。早くこの仕事を終わらせたいです」


 どうやら脳には精神科を勧めたほうがよさそうだ。


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― 新着の感想 ―
[良い点] メリハリ利いてて、文章読みやすいです。最後まで楽しませてもらいました。
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