2話
懐かしい夢を見ていたような気がする。ベッドの上で目が覚めた俺はそんなことを思いながら、体を起こした。久しぶりに寝たから凄く気分がいいな。朝ごはんでも食べながら現状を把握しよう。コーヒー片手にトーストを食べながら椅子に座って俺は呼んだ。
「アマテラス、アルテミス来てくれ。」
すると突然目の前に二人の美少女が現れる。
「おはようございますパパ。」
「おはよう。」
「おはよう、二人ともいい感じに成長したな。」
そこにいた二人は寝る前に会った幼女たちの面影は残しているが、背が伸び、女性らしい体になっていた。
アマテラスの胸を見ながらそんなことを思っていたらアルテミスがその視線に気づいた。
「どうして私の胸は成長しなかったの・・・」
と落ち込んだ様子でつぶやく彼女がいた。そう、アルテミスの背はアマテラスとほぼ同じなのにそれに対して胸が全くと言っていいほど変わっていないのだ。それを聞いた俺は申し訳なさそうな表情で言う。
「ごめんな、二人ともほぼ同じになるようにしたつもりだがうまくいかなかったみたいだ。」
「そうなんだ、パパでも失敗することあるんだね。」
(まあ失敗したわけじゃなくて最初から大きくならないようにしてたんだけどな。ここまで落ち込むとは思わなかった。そんな表情されたら言えるわけないだろ。俺的に大きい子と小さい子がいたほうがバランスがとれるという自論があったためそうさせてもらったんだが、こうなるとは思わなかった。少しフォローでも入れておいたほうがいいかな。)
「まあ可愛いんだからそんなに気にしなくてもいいと思うぞ。」
それを聞いたアルテミスは頬を赤く染めながら言う。
「じゃあどうしてアマテラスの胸を見てたの?」
「それはあれだ、俺もこの世界を作ったとはいえ男なんだから許してくれ。」
しぶしぶといった感じでアルテミスは頷く。さて、本題に入ろうかと思ったところでアマテラスがが急に詰め寄って来る。
「私はどうですか!」
「ああ、そうだな、アマテラスも可愛いよ。」
急に来たので適当な返事になってしまったが当の本人を見てみると、
「えへへ、パパに可愛いっていわれた。」
嬉しそうな表情をしながら体をくねらせていた。
(あれ?俺こんなふうにしたつもりなかったんだがどうしてこうなった。アマテラスと話す時は要注意だな。毎回こんな感じになられても困る。)
「何故かアマテラスがトリップしてるからアルテミスだけでいいや。本題に入るけど、いいかんじにできたか?魔法の要素は作っておいたから魔法もできてると思うんだけど。」
「はい、既に2000年程経過しており、魔法学院もありますし、魔法もいろいろと開発されています。魔物も弱いものから強いものまで発生していますので十分楽しめると思うのですが、よろしかったでしょうか?」
「ああ十分だ。二人のおかげで楽しめそうだ、ありがとな。さて、それじゃあ俺は行く前にこのままだと不死身だったり、とんでもパワーで面白くないだろうから人間になるかな。」
そう言った俺は人間になった途端に目の前から凄い威圧感的なものが感じられた。
「アルテミス、なんか凄く二人からオーラというか威圧感的なものが感じるんだが、常時そんな感じなのか?」
「失礼しました、何かと便利なもので消すのを忘れていました。」
そう言った後、気分が多少楽になってきた。冷や汗をかいたのは久しぶりだな。久しぶりの体験をすると新鮮さがあるな。
「行ってくる前に一つ言っておきたいんだが、基本的に俺にはあまり干渉しないようにしてくれ。特にアマテラスにはしっかり伝えておいてくれ。なにをするかわかったもんじゃないからな。それと悪いんだがゲートだけ作ってくれないか?流石に何も知らないところよりは町の近くとかのほうがいいからな。」
「了解しました。しっかり伝えておきます。」
アルテミスは自分の左手を前にかざしてゲートを出現させる。
「それじゃあ行ってくる。」
そう言い残した俺はゲートを通った。
「あれ、パパは?」
今になって意識を取り戻したアマテラスがアルテミスに聞く。
「もう行ったよ。基本的に手を出さないでだって。」
「そんなあああ」
それを聞いたアマテラスはどうにかしてパパに会えるように作戦を一人考えるのであった。そしてアルテミスもアマテラスの考えていることを察知して何かしようとしていたら対応できるように警戒するのであった。