おでかけその3
俺たちはベランダにやってきた
「で、話ってなんだよ、颯太」
「いや、お前の事業大丈夫なのか?」
「ここに来れてる時点で大丈夫だし、先もちゃんと見通してる、余程のことがない限りはビクともしないよ」
「お前はほんとにしっかりしてるな、拓人、それに比べて俺は女も居ないし事業も親から受け継いでマニュアル通りやってるだけ、安泰はするがどうも納得がいかない、それに……」
「これ以上ネガティヴになるのはやめよう颯太、きっとお前にも幸せはくる、だって俺知ってるんだ、お前、めちゃくちゃ良いやつなんだよ!それと、俺からはなんとも言えないけど親の敷いたレールに乗るのが全てではないと思うよ、実際俺もレールに乗ってない、ひなちゃんを幸せにするために必死にやってできたことだから」
「やっぱりお前はかっこいいよ」
俺たちはそんな会話をしながらりんごジュースを飲んでいた……
「てか日向さんってほんとに礼儀正しいよな」
「そうだな、俺以外の前ではすごく礼儀正しいよ」
「え?お前の前ではどんな感じなの!?!?」
すごく興味津々な颯太にちょっと戸惑ったその時!
「たっくーーん!!!まだ話終わらないのーーー!!!!もう我慢できないよぉーーー!!」
「あー!もうすぐ終わるよー!」
「………」
颯太は黙った後、言った
「あれが本性か、めっちゃ可愛いやんけええええ!!!」
「だろ?俺の自慢の嫁だ」
そう言いながら俺たちは下に降りていく
「あ、どうも颯太さん、たっくんとお話もう終わったんですか?」
ひなちゃんが呼んだからきたんだろ、そう思いながらも黙っていた
「ああ、後は2人でゆっくりしてくれ」
そう言って颯太は手を振りながら部屋に戻った
「はぁー、たっくん、疲れたよー」
「ひなちゃん昼寝てたよね?」
「ゲームクリアしたから疲れたのー」
「そっかそっか、で、なんのゲームしたの?」
「この前たっくんのために並んで買ったやつ!あのね……」
俺の脳裏に最悪の状況が思い浮かぶ、まずい!
「な!?ちょ!ひなちゃん!ネタバレすんなよ!?!?」
先手を打って言わせないようにする
「……いいよ!助言が欲しかったら言ってね!」
この一連の流れでわかるだろうがひなちゃんはすごくゲームが上手い、対して俺のゲームの腕は普通、だからひなちゃんに預けるとすぐにクリアしてしまう、で、ネタバレがすごいので今回は先手を打った
広い部屋でゴロゴロする俺たち
「そういえば夕飯まだだな」
「そうだよー!たっくん遅かったから私待ってたんだよ?」
「ひなちゃん、ありがと」
そう言って俺はひなちゃんを抱きしめた
「ちょっ!たっくん!?酔ってるの!?」
「酔ってないよ、だってりんごジュースしか飲んでないんだよ?たまには俺にだって甘えさせてくれ、それと、いつもありがとう」
「たっくん、私、たっくんが好き!だから、ずっと甘えてたい!それとね?私を幸せにしてくれてありがとう!」
「俺もひなちゃんが好きだよ、だから、これからも幸せにする、何があってもひなちゃんだけは守るよ」
「たっくん好き!」
「俺もひなちゃん好き!」
そう言って俺たちは抱き合った
そして横になった
時を忘れてただただハグをしていた……