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幸せの先の先  作者: 狗月
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プロローグ




 最近、夢のせいで朝起きると、泣いていることが多い。


 高校生にもなって恥ずかしいと思うものの、それは眠気がなくなり、頭が冷静になった時までで。・・・それまでは、胸が締め付けられて痛いということだけでいっぱいだ。その痛みは、何に対してなのか、全く思い出せないが、とりあえず、かなしいという感情からくるものだった。


 今朝もいつも通り泣いていて、どっと疲れが肩にのしかかっていた。

 二階の部屋からリビングへ降りていくと、母さんが「おはよう、智。コーヒー飲む?」と声を掛けてくれた。それに「おはよう。牛乳と砂糖いっぱいでよろしく。」と返すと、「女の子みたいねぇ。」と小さく笑われた。

 苦いのが苦手なんだから仕方がない、と心の中でぼやきつつ、顔を洗いに洗面台へ向かう。


 ・・・眠気はもうないが、夢の内容を思い出そうとするものの、やはり何一つ思い出すことはなかった。はぁ、と溜息を零しては、冷たい水で顔を洗い、少しだけすっきりとした・・・感じがした。

 寝癖が付いていないか確認しようと、鏡を覗き込むと、一瞬、俺の瞳が金色に光ったように見えた。


「はぁ!?」


 思わず鏡にぐっと顔を寄せ、じっと見つめなおし確認をする。少し顔を上げると窓から差し込む朝陽が見えた。・・・夢のせいで変に考えすぎてんのか、と再度、溜息が零れた。

 それからいつも通りに準備をし、いつも通りの時間に家を出た。


 ・・・いつも通りの日常がそこにあるはずだった。

 


ーーー


 一瞬、目が合ったかと思い、驚いた。


 鏡を通して、智のことを見れることはいいことだけれども、バレそうになるのが難点ではある。

 

 ・・・でも、ようやく見つけられた。

 今度は絶対に守ってみせる。たとえ傍に居られなくても、愛されなくても、リエン・・・ではなく、智としての幸せを守ってみせる。


 ・・・俺は、ずっとずっと愛してるから。





 

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