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エリート高校の落ちこぼれの転校生  作者: うしやき
第一章 悪魔騒動編
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波乱の幕開け(仮)

今日の日付は6月17日 月曜日 天候は晴れ、湿度もそれほど高くなく気温も春と夏の境目と言うこともあり涼しいぐらいで、風がとても心地良い。梅雨の季節なのに珍しく晴れた今日。


普通の人なら、鬱陶しい雨が降っておらず少なからず嬉しい気候。


そんな清々しいなか、まるで通夜でもやっているかのようにどんよりした空気をまとった一人の少年が


「橘魔法学院」


と、書かれた校門のまえで佇んでいた。

そして、まるで神を恨むかのような目で快晴の空を見上げ一言。


「行きたくねぇ…。」


・・・・・・


「………………どうしてこうなった。」


簡潔に今の俺の状況を説明しよう。たぶん長くなるからメモの用意でもした方がいいぞ?


まず、俺は4月に高校生になった。


SO!俗に言う、ピッカピッカの1年生!

と、言うやつだ。


が、その入学した学校の方針がヘドが出るような物だったため入学一ヶ月半で自主退学した。


ここまでは良いな?


それでだ、実家に帰ってその事を親に話したわけよ。まあ、国立で入学金も授業料、寮費も取られなかったから親も何も言わなかったし「ああ、そうか」と言って流した。そこまでは良かったんだ。問題はここから。


実家に帰って約1週間、特にすることもなく自分の部屋で趣味の読書にふけり、ほぼニートになっていたとき。


あ、今ほぼニートってなんだよ、完全にニートじゃないかと思ったやつがいるかもしれんが。一応、特殊な方法で収入源があるから厳密にニートではないんだが…。ってこんなことは置いといて。


でだ、ある日家の郵便受けに俺宛の一通の封筒が入っていた。中身を見てみると、そこには手紙と1枚のチケットが入っていた。


とりあえず手紙を読んでみると、そこには「合格通知」と書かれていた。


なんのことか、サッパリだったため他の兄弟宛かと思ったがもう一度宛先を見ると。


竜咲りゅうざき 陽翔ひかる様」


やっぱり、俺のだった。


なんのことかわからんが、とりあえず中身を読んでみた。


まあ簡単に内容を言うと、「お前、橘魔法学院に行ってこい」って内容だった。


なんだよ、魔法学院ってハリー・○ッターかよ。


ん?魔法が何だって?


あれ?言ってなかったっけ?ここ、魔法の世界だぜ?まあ、その事はあとで話すとしよう。んで


ふざけんな!って破り捨てようとしたら、差出人の所の名前に


「バルト・ハーベルト」


って、誰か分かんないよな。


まあ、ぶっちゃけ国王陛下なんだわ。差出人が


で、マジでト○とジェリーみたいに目玉が飛び出るかと思うぐらいビックリしたんだ。この事を、両親と兄弟に話したら叩き出されるみたいに荷物持って家から追い出されたんだ。


俺自身は、学校が嫌で帰ってきたのに何でまた…。とは思ったけど国王陛下直々の手紙だし、無視できないし、てか無視したら打ち首だし。辛酸をなめる思いで日本にまた来たんだ。


あ、因みに俺の実家はイタリアにある。


俺自身は、純粋な日本人だから。まあ、この辺の話は追々していくことにして。手紙の中のチケットは飛行機のビジネスクラスのやつで、行き先もちゃんと日本の成田国際空港着だったし。来るのに不便はなかった。


そう、来るのには…。


お察しのとおり、来てからが問題だった。日本についたのが6月14日、編入日である今日が6月17日。


この間の15、16日はどうしろと?


もちろん、手紙の中に宿代や飯代は入ってなかったし、家から叩き出されたからもちろん金の持ち合わせなんがそれほど多くなかった。


因みに俺のその時の財布の中身…


所持金1005円


成田国際空港に着いてから財布の中身見て空港内で発狂したよ。

それから、どうしたって?


もちろん野宿、飯?1日1食、因みにファミ○ーマートの弁当だった。編入日に臭かったらたまんないから、適当な銭湯で汗は流した。


その結果の今の所持金、115円


自販機で飲み物1本買えねぇよ!つか、最初からいる5円なんだよ!


……………はあ、疲れた。


で、何だかんだあって今この場にいるわけで。ん?寝床?そんなの、公園のベンチで野宿に決まってる。お陰で首が寝違えたよ。

服は、仮想空間にいれてた前の学校の制服があったから今はそれをきてる。


ん?仮想空間?ああ魔法だよ。さっき言ったよな?いま、世界は2つに分かれてて魔法と科学ってな具合で。なに?禁書○録?違う違う、例えるなら日本とアメリカン位の違いが魔法と科学にはあっていままで、3回ぐらい第○時世界対戦ってのが起こるぐらいなかが悪いんだよ。1回の総死者なんて100万人近くのでかい戦争起こすぐらいな。


なんか、話が脱線したな。


で、なんやかんやあって俺は橘魔法学院の前にいるんだ。


何で行きたくないかって?そんなの決まってる、前の学校とこの橘魔法学院ってのは、日本の魔法協会がやってる学校で。ようは、同じ系列の学校って訳だ。つまり、俺がいやになって止めた学校とほとんど同じなんだ。


さて、家族には叩き出され、家に帰ったら打ち首だし、まず家に帰る金がないし。逃げ場がない…。


「……………はあ、仕方ない行くか。」


ちなみに、今の俺の顔を顔文字で表すと


「(´д`|||)」こんな感じ


何だかんだあって、俺の新しい学院生活が始まった。


・・・・・・


校門をくぐり並木道を歩いていた、おそらく桜の木であろう花どころか葉っぱすら付いていなかった。どのくらいだろう?200mぐらいの学校にしては少し長めの並木道だった、俺は黙々と歩いた。


時間は……10時半過ぎか、授業中なのだろう。とても静かだった、一瞬だが憂鬱な気分が吹き飛ぶような時間だった。


だが、楽しい時間や気分の良いときに限って時間の流れと言うものは速いものだった。気づくと、正面玄関の前に来ていた。はぁ、とため息が出た。


「…………仕方ない腹くくるか」


気分のせいか、玄関の扉がとても重く感じられた。玄関の目の前には事務室があった。とりあえず、受付のオッサンに合格通知を見せた。一瞬、顔をしかめたが差出人を見て納得をしたような顔を見せた。


「はいよ、兄ちゃん。これが、生徒手帳でこっちが名札だ」


案外、気さくなおっちゃんだった。


「ありがとさん」


とりあえず、適当に返した。


「まあ、何があったか知らんが。楽しみな。あと、困ったことがあったらいつでも良いな。金のこと以外なは聞いてやるよ」


(いい人や…!)


心のなかで叫んだ。


「おう、そのときは頼むよ。んで、俺はこれからどうしたら良いんだ?」

「とりあえず、理事長室に行きな。ここを、右に3つ先の部屋だ。ちゃんと、ノックするんだぞ?」

「サンキュー。気が向いたらするよ」

「では、楽しい学園生活を」


最後に、おそらく受付の決まり台詞を言って俺を見送った。まあ、いい人はいるみたいだな。理事長室はすぐに分かった。まあ、受付のオッサンが教えてくれたのもあるがドアの上に懇切丁寧に「理事長室」と書かれてあった。


オッサンの言い付けどうり、ノックをして扉を開いた。


「失礼します」

「いらっしゃい。私がこの学校の理事長のたちばな しげるだ」


そこにいたのは、白髪で髭を生やした。まあ、簡単に言えばダンブ○ドア校長見たいな人だった。


「で、俺に何のようだ?」

「面倒くさい話を飛ばすと、魔法協会のお偉いさんとバルト国王陛下からの直々の通達で君をこの学校に入れることになった」

「何で俺なんか…」


俺は吐き捨てるように言った


「それは君が一番理解しているんじゃないのかな?」


理事長がまるで、煽るように言った。


今の俺と理事長の状況を簡単に言えば一触即発の雰囲気だった。そんな状況下、雰囲気とは全く会わない声が聞こえた。


「理事長~、そんなに威嚇しちゃぁダメですよ~。その子が可愛そうじゃないですかぁ~」


一言で言おう、幼女だった。


いや、厳密には小学6年生か中学1年生ぐらいの女の子だが。そんなことはどうでも良い、なぜこんなロリっ子ここにいる?


「すまんねぇ、愛澤あいざわ先生。ちょっと、からかっただけじゃよ」

「先生!?このロリっ子が!?」

「む、ロリっ子とは失礼ですね!これでも、22才ですよ!」

「22才!?12才の間違いだろ!」


22才って俺の姉さんと一緒じゃないか。見た目だけなら、妹の美羽と同じぐらいなのに…。


「まぁ、いいです。からかわれるのは慣れっこです」


少しハブてた感じで、プイッもそっぽを向いた。


「それでは、改めまして。こんにちは竜咲君。私は愛澤あいざわ 瑠璃るり今年度からここの教師に就任しいるれっきとした教師です。ちなみに、君の担任教師でもあります」


(うそくせぇ…。)


「いま、嘘臭いとか思ったでしょ」

「そ、そんなこと無いですよ?(棒)」


理事長を他所に俺と自称担任とこ、愛澤先生と会話が進んでいると。横やりが入った


「こほん、では、話を戻そう。竜咲君、ようこそ橘魔法学院へ。さっきも言ったように、上からの指令で君をこの学院に迎え入れることになった。ちなみに、拒否権は認められない。拒否した場合は、君の一族全て打ち首だから」


最後にさらっと恐ろしいことを言いやがった。ド直球の脅しだった。


「はぁ……、わかったよ。入れば良いんだろ。で、理由ぐらい聞かせてくれるんだろ」

「理由かい?そんなの、上からしたら将来有望の魔法師を手放したくないんだろうね」

「だから、なんで俺なんか…。俺程度の魔法師なんでごろごろいるだろ」

「本当にそう思うのかい?」

「………」


こいつ、わかってやがる。なるほど、確かに魔法協会が後ろに付いているんだそれぐらいなら調べがつくか。


「ちなみに君のことを知っているのは、私と愛澤先生の二人だけだから安心したまへ」

「そんな、信憑性のない話を信じろと?」

「まあ、私からは信じろとしか言えないがね」

「………」

「………」


俺と理事長の間に長い沈黙が流れた。そして、肩身の狭さと家族を人質に取られたことにより俺が折れた。


「で、俺はどのクラスに入れば良いんだ?」


適当に話を進めてみた


「クラスは愛澤先生の担当する1年D組だよ」


ここで、魔法協会の経済する魔法学院のクラス分けについて説明しよう。


クラスは、A~Dの4クラスに分かれており。上から、成績優等生が所属する。これを、前いた学校ではクラスランク制と言い、成績が優秀なほど授業設備や教師人数が良く。下のランクになるほど授業設備は悪く教師人数も極端にへる。


(つまり、俺は落ちこぼれのクラスに編入するわけだ。)


そんなことを思いながら、小さいため息をついた。それが、解ったかのように愛澤先生が口を開いた。


「安心したしてください、うちのD組は陽翔君が前いた神聖高校ほど授業設備も教師人数も悪くありません。と言うか教師人数に至っては全クラス統一されています」

「いきなり、下の名前呼びか?」


内心を見透かされたのを誤魔化すために適当な返しをしてみた。


「生徒との距離を縮めるのは教師として当たり前です!」


まったく面倒な奴のクラスに配属されてしまった。これ以上、ストレスを増やしたくないので、とっとと次に行くことにした。


「で、これで終わりか?終わりなら、速くクラスに案内しろ」


煽るようにふてぶてしく言い放った


「まあ、待ちたまえ。このあと魔属測定をして君専用の魔道具マジックウェポンを作るから」


魔道具、簡単に言うと使う本人の属性や魔力適性、戦闘スタイルに合わせた武器って訳だ。一概に武器とは限らないが、使う人によっては剣から銃、杖、斧、ヌンチャクまで多種多様な物だったりする。


「とりあえず、ソコのツボの中に手を入れたまえ」


と、理事長が指差した先には魔女が毒リンゴでも作っているかのような禍々しいツボがあった。


いちいち文句をいっていては話が進まないので俺は躊躇なく手を突っ込んだ。すると、機械音のような声が理事長室に鳴り響いた。


『魔力測定開始。属性、風・○・○ 魔力総量…計測不能 戦闘スタイル…自由戦闘オールマイティー 魔道具……製造不可』


一部聞き取れない所はあったが一応は終わったようだ。たが、約二名暗いかおをしていた。


「予想はしていたけど、凄まじいね。まさか、魔道具製造不可とはね。面倒くさいことになったね」

「叡智のツボに作れないとなると。オーダーメイドになりますね…」

「???どういうことだ?」

「この学校の生徒は皆例外なく、この叡知と創造の壷で魔力測定を行った際に個々の戦闘スタイルに合わせた魔道具をその場で作られるのだけど、陽翔君の場合、本来のキャパシティが高すぎて叡智のツボでも作れないみたい。だから、プロの錬金術師に頼んでつくって貰うしかないみたい」

「で、その表情から察するに莫大な金がかかると」

「ご明察、数百万のお金がかかるんです」

「とりあえず、この話は置いとくとして。愛澤先生、彼をクラスに案内しろしてください」

「はい。それじゃあ、陽翔君行くのですよ!私の自慢の生徒たちが君を待っているのです!」

「はいはい、そんな急かさなくても行きますよ」


こうして俺の人生の波乱の幕開けだった。


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