三話
魔「大丈夫か?」
今にもとどめを刺されそうになっていた勇者を間一髪で助けた俺は、ボロボロになっている勇者に聞いた。
勇「大丈夫だ。感謝する。」
魔「良かった。じゃ、さっさと仕留めますかね。」
自分の拳に魔力を集め、その拳で相手を殴る。相手の頭を爆散させる。
勇「・・・・何しに来た?」
魔「伝え忘れたことがあったから伝えに来たんだけど、気が変わった。お前、俺についてこい。」
勇「誰が貴様なんぞについて行くか!」
魔「これは俺が決めたことだ。お前に拒否権は無い。」
勇「なんだと!拒否出来ないとで「はっ!」・・・・」
ふう、これで変なやつに殺される心配も無い。
さぁ今日の寝床でも探すかな。
その夜、
勇「う・・・・ん?」
魔「おう、起きたか?よく寝たな。」
勇「ーーっ!貴様、私をどうするつもりだ!」
魔「別にどうもしないけど。じゃあ俺は寝る。部屋から出ようとしても無駄だからな。」
勇「くっ!」
魔「zzzzzzzz」
勇「もう寝たのか。寝たよな?」
魔「・・・・・・・」
勇「うっ、ぐっ、ぐす、ひっく、怖かった。もう・・嫌。誰か・・助けてよ・・・」
あーどうすっか?まだ寝てなかったんだよ。こんなタイミングで泣かれたらどっちにしろ気まずいしなぁ。励ますか?このタイミングでなんて励ませばいいんだよ。まあいいか。考えても答えでなそうだし。そう思って身体を起こす。
勇「ーーっ!?貴様起きていたのか!?」
勇者が取り乱すが逃がす訳にはいかないので素早く抱き寄せる。
勇「なっ!」
魔「大丈夫だ。俺はお前を裏切ったりしないから。何かあったら助けてやるから、安心していいからな。」
勇「う・嘘だ!お前は魔王だ!裏切るに決まってる!」
魔「お前が信用できなくても俺は裏切ったりしないから。」
勇「やめろ!私に・・優しく・・するな・・」
魔「我慢しなくていいから、な?」
勇「う・うぐっ、ぐす、ひっく、うわあぁぁぁん。」
魔「辛かったな、怖かっただろ?もう大丈夫だからな。」
これでもう大丈夫かな。と俺の腕の中で泣いている勇者を見ながら思った。がよくよく考えてみたら勇者が魔王に慰められるってかなり面白くね。
勇「何・わらって・んだよぉ・・ひっく、ぐす」
魔「嫌別に〜♪」
勇「嘘だ!」
魔「本当に何でもないって。ただ、魔王に慰められる勇者って面白いなぁ~って思っただけだから。」
勇「なっ!全然何でも無く無いじゃないか!もう知らない‼︎」
魔「悪かったよ。じゃあ俺今度こそ寝るから、じゃあまた明日。」
勇「・・・・・」




