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攻略対象が、一人多かった件

 花占いでもしろというのか、百菜は一瞬そう思いはしたが、試しに花びらを一つ選んでみる。

 指でそっと触れるとその花びらがふっと溶けて中に細かい光の粒状になって浮かび上がり、やがて一つの四角い画面を作り上げる。

 そこには3つの選択肢……道具が提示されている。


「1、時間が長くなる懐中時計(一日の間で多数イベントを攻略できます)、

 2、他の部屋へと瞬間移動出来る懐中時計(移動時間が短縮できます)、

 3、やり直しが3回出来る懐中時計(戻る時間は3日)


 どうしようかしら。私は、1か3かな。というか行きたい部屋を選択したら移動にはならないんだ、このゲーム」

「あ、3なら俺がもってる。いざとなったら俺がそれを使うから、1にしたらどうだ?」

「確かにこなせるイベントが多いほうがいいわね……でもこんなアイテムが初期に手に入るってことは、時間を伸ばさないとクリアできないイベントが有るのかしら」


 やはり攻略ガイドがないと、キツイわねと思いながらも、やるしか無いので諦める。

 そして3つの選択肢のうち、1を選ぶようにその画面に触れると百菜の手に光が収束して破裂し、懐中時計が唐突に現れて、そのままゆらゆらと風に揺られながら舞い落ちる花びらのように百菜の手にこぼれ落ちてくる。

 銀縁のその時計を見ながら、とりあえずはこの調子で頑張っていかないとと百菜は思う。

 そこで“占い部”の少女が、


「他に何かありますか? それとも現在の攻略終了対象について見ますか?」

「見ます!」

「は、現在攻略人数は主要キャラが一人。フラグが三名。モブは25名です」


 現れた画面ではそう記されており、先ほどの保険医が上半身だけカラーでうつされている。

 他にも学園の美しき花だか何だかの美しい男の“スリー・フラワーズ”が色付きで現れている。

 ただそれ以外の攻略対象のキャラとはまだ百菜は面識が無いためか、黒い上半身人型の形で表示され、舌には???と、名前がクエッションマークで表示されている。

 

「でも、全部で14人攻略しないといけないのね。これ全員誰だか分かる? 浩斗」

「……一人多い」

「……どういうこと?」

「そのままの意味だ。俺が知っているのは、13人までだ」

「一人隠しキャラがいるってこと? 出現条件がわからないなんて困ったわね」

「……とりあえず、早めに他のキャラを攻略して色々調べよう」

「そうね、予定外の事が起こっても対処ができるように。……ありがとうございます、私達の用事は終わりました」


 そう“占い部”の少女に告げると、また来てくださいね、くひひひひと怖い笑いをあげたのだった。







 廊下を移動しながら、ふと百菜は気づく。


「やっぱり、普通の廊下には埃っぽさが感じないわね。何であの“占い部”ではそれを感じたのかしら?」

「んー、もしかしたなら主人公だから、イベントがどうすれば起こるのか感じ取れるとか?」

「……確かにカーテンを開けたらあの占い師の女の子が震えていたわね」

「そういったミニイベントから、重要なイベントまで色々関係するかもしれないから……そういった現実に近い感覚を覚えたら、注意しておいたほうがいいと思う」

「確かに。でもどうでも良いイベントだったらその分時間を無駄にしてしまうかもしれないから、そのへんは取捨選択していったほうがいいわね」


 そう思いながら階段を登っていく、百菜。

 そこではたと百菜は気づいた。


「所で今はどこに行くの?」

「ふふふ、そういえば以前ネットで攻略に関する情報を探していた時に見たんだよね。この学校の図書館に攻略ガイドほどではないけれど、ヒントが色々書かれた本があるって」

「! 重要じゃない」

「うん、ただ……その図書館には膨大な本があって、しかもそこには図書館の主のような生徒がいてね。それと戦闘になると、今のままじゃまだ勝てない」

「その人物に見つからないように探すしか無いか」

「気をつけて、何回かに分けて探してみた方がいいのかもしれない。もしくはどちらかが囮になって誘導するか」

「だったら二人で分かれて探して、遭遇した場合に限り大声だ叫んで誘導して逃走する、とか?」

「その方がいいかもしれない。じゃああの図書館の主に接触したなら、図書館前に集合で」

「わかったわ。よろしく」

「こちらこそ」


 そう、百菜と浩斗はお互いの手を合わせるように軽く叩いた。

 そして図書室までやってきて、扉を開く。

 本の匂いがする。強い“本”の匂いがある場所から流れてくるように百菜は感じる。


「じゃあ、百菜。先ほどの手はず通りに……」

「待って、“本”の匂いがする。それもあっちから」

「もしかして、そこにあるかもしれないのか?」

「おそらく」


 そして百菜と浩斗は匂いの方に歩き始めたのだった。

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