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理由不明のゲームトリップ!

 あの日、私こと木下百菜は乙女ゲーを手渡されていた。


「はい、これ」

「私、興味ないよ?」

「まあまあ試しにやってみようよ、ね?」


 そう惑わされたのは先日の事。

 そして私は知る。

 これは乙女ゲーではなく。


「ははは、お前のその心を奪ってやる!」


 そう叫ぶ白衣の男を見ながら、心の中で私は思った。

 これはただの馬鹿ゲーであると。





 



 このゲーム、“恋愛?ラブバトル”というゲームなのだが、正直、百菜ゆなは全く興味がなかった。

 どちらかというとファンタジー系のゲームで敵を倒したり、狩りに……といったものばかりをやっていたのである。

 それを知っていたはずの友人が何故、恋愛シュミレーションゲームという乙女ゲーを渡したのか、百菜はずっと謎だった。

 だが現在、その乙女ゲーの世界に入ってそれに気づいた。

 手持ちの武器(魅力)は、機関銃。

 相対する、保険医の白衣のお兄さんは眼鏡を輝かせながら、注射器とメスを持って襲い掛かってくる。

 保険医がそんなものを使うのかとか、持ってていいのかと思うだろうが、これはあくまでもイメージ映像なので何の問題にもならない。


「貴様の心を奪ってみせよう!」

「……年齢的に何かに引っかかりそうな気もするけれど、深く考えないようにしよう」


 なにせ、彼等を倒して心を奪いながら仲間を増やさないと、最終決戦で負けてしまうのだ。

 それに勝ちさえすれば、百菜はこのゲームから出られるかもしれない。


 どうしてこんな事になったのか。

 記憶にある範囲では、ゲームを起動させたまでは覚えている。

 気づけば、見知らぬ可愛らしいどこかで見たことのあるような制服を着ていた。

 周りも何処かの学校の廊下に見えるのだが、百菜には見覚えがない。

 よくある硝子の窓に、壁には掲示板があり、クラブ活動などの紙が貼り付けられている。

 そこで百菜はようやく気づいた。


「この制服、ゲームの主人公が着ていたのと同じなんじゃ……」


 そこで誰かが百菜の方に走ってくる足音が聞こえる。

 バタバタと大きな足音を立てている人物は、茶色い髪をした、編みこみの三つ編みが可愛らしい美少女だった。

 見た目は。

 彼女は百菜に気づくと目に涙を浮かべて縋るように、


「助けてください、追われているんです!」

「じゃあ、そこの教室に隠れたら?」

「は、はい」


 とりあえず美少女もどきを百菜は傍の教室に誘導してから、後から走ってきた複数の鬼気迫る少女達百菜はに遭遇する。


「あの女は何処に行った!」

「貴方、知っているんじゃない!」

「よくもあの人を取りやがって!」


 口々に喚く彼女達に、百菜は、私に聞くより手分けして探したほうが良いんじゃないかなと思いはしたのだが、


「すぐそこの階段を降りて行っ……最後まで話を聞かないし」


 待てコラッ! と、時代が逆行している不良のような声が聞こえたが、百菜は聞かなかったことにした。代わりに、


「もう大丈夫よ」

「ふ、ふぇえ、助かりました。ありがとうございます」

「そう、それで、ちょっと色々話が聞きたいのだけれど……人気のない場所って、何処?」

「だったら屋上なんかどうでしょう」


 にこっと美少女が笑う。

 それを見ながら百菜は彼女の前に出ている、ピンク色の光で囲われた画面を見ながら、


「所で、どうして女装なんてしているの?」


 問いかけた瞬間、目の前の美少女の表情が真っ青になったのだった。

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