第6話 女神は放課後に笑う 中編
俺は突進の勢いに任せて、刀〔収刀状態〕を振った。
犯人は、俺の方から向かってきたことに狼狽したが、体を捻ってかわした。
すかさず俺は、避けた方向に刀を振るったが手応えがない。
しゃがむようにして避けた犯人が、俺の横腹を狙っているのが見えた。
「うおおおおぉぉぉぉ!!!」
俺は絶叫しながら、犯人を蹴り上げた。包丁の刃が俺の服と皮膚を掠めた。
ヤバイ、これマジだわ。
間髪を入れず、地面に転がる犯人を突こうとした刹那、下腹部に痛みを覚えると同時に後ろへ吹き飛ばされた。
もう少し、”下腹部の下腹部”を蹴られていたら、女性には分からない信じられない事態に陥っていたことだろう。
正直、刃物を相手に戦うのがここまで精神力と集中力がいるとは思っても見なかった。
今まで気づかなかったが、俺は自分でも驚くほど汗を掻いている。
息も切れ切れだ。
犯人の方も、だいぶ疲れがみえる。
お互いそう長くないかもしれないな。
一瞬、悪い想像をした時、また教室の扉が開いた。
目を疑ったが、それは間違いなく女神だった。
急すぎるというか、間が悪すぎるというか、てか、入る前に中の様子を確認してくれ。
来るな!と、叫ぼうとした時、女神が口を開いた。
「大丈夫?手助けがいるかな?」
先生を呼ぶ気だな。だったら、独り言か、同意を求めるかの言葉は要らないから早く行ってくれ。
犯人も人を呼ばれると思ったのか、女神の方を向いた。
くそっ!
咄嗟に走り出した俺の足が何かにつまずいた。
倒れながら、俺の足元に亜門の足が伸びているのが見えた。
が、亜門は女神から目を離してはいない。
派手な音を立てて、俺の体が地面に激突する。
しかも、刀の鍔が、ミゾオチにフィットしているではないか。
「うぐヴぁ・・・ギぼっ・・ゲふ・・・ごホ・・うベェ・・・。」
情けない姿でぶっ倒れている俺を一瞥すると、犯人は女神の方に向きなおった。
はい、こんにちは。天地 袋です。
自分は、マヨネーズよりケチャップが好きです。
友人に話したら引かれました。
急に、この話を振った事に引いたそうです。
最後になりましたが、読んでいただいた方ありがとうございました。