第17話 止まり木
ゆっくりと、街が茜色に染まっていくのを見ながら、俺はドッポをかじった。
パキッ!
心地よい音がする。
「平和だ…。」
亜門が悪魔だと確信した日から、すでに数日が経過していたが俺の身辺に何の変化もない。
亜門も、別に何も言って来ないし、宗方は相変わらず張り付いたような笑顔を浮かべているので何を考えているのか分からない。
あぁ、そうだ女神もこれと言って接点は無く、ましてや、殺人犯に遭遇することも無かった。
つまり、俺はすこぶる平和だということだ。
というか、先週のことは全て嘘だったのではないか?と言うような自己防衛の発想までしてきている。
まぁ、何も無いことに越したことは無い。
明日は休みだから、昼まで寝て、買い物にでも出かけよう。
「とまぁ、ここはテストに出る可能性がある気がするぞ〜。」
枕谷が、回りくどい言い方をしたのと同時に、授業の終わりを告げる鐘が鳴った。
またまた、それと同時に後ろに気配を感じた。
「で?亜門何のようなんだ?」
「あら…。よく、分かったわね…。」
と、気の無い返事をすると亜門は、続け出した。
「明日、朝9時に相模秦野(さがみはだの)駅に集合ね…。」
「ほう、それは残念だな。丁度その時間は、予定が入ってるんだ。」
さっき、昼まで寝ると決めたからな。
「そう…。じゃぁ…私が8時に貴方を起こしに行くわ…。」
「駅に9時でいいんだな?」
コクンとうなずくと、亜門は満足そうに戻っていった。
「いやいや、いい天気ですね。嫌になるくらいに。」
入れ替わるように宗方が、覗き込んでくる。
「俺には曇っているようにしか見えないがな。」
「あら?そうですか?」
そんなことはあまり関係が無いように、宗方はククッと笑った。
「そうだ。雪村君。明日、暇ですか?」
「ほう、それは残念だな。丁度、明日は予定が入ってるんだ。」
「へぇ、本当に?」
宗方が細い目を、チラットと開けた。
「ふむ…。やはり…明…死…がで…そこなら、あるいは…。」
なにやらブツブツ言いながら、宗方は教室を出ていった。
何なんだ、あいつは?
とにかく、家に帰ろう…。
こんにちは。天地袋です。
いやぁ、しばらく書いて無かったですね。
すみません…。
最後になりましたが、読んでいただいた方ありがとうございました。