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第14話 何も知らない 後篇

「ちょ!あ、まっ!わっ!落ち着けって。おぃ!」


亜門はずいずい、俺の手を引いて歩いていく。


俺はグラグラ動く視界の端で大辻の存在に気づいた。

「大辻!刀、うわっ!俺の刀!持ってっ!ちょ!」


大辻は俺の願いよりも、亜門と俺が手を繋いでいることに驚いていた。


「こんちくしょー!お前の刀なんか、バキバキに折ってやるぅぅぅ!!」


大辻はハンカチでも噛みそうな顔で叫んでいる。


ダメだ、この馬鹿。

早く何とかしないと…。


俺は学内を引きずり回されて、ついに屋上にたどり着いた。


肩で息をしている俺とは対照的に、亜門は汗一つかいていない。


「なんなんだよ。急に連れ出しやがって…。」


「教室だと邪魔がはいるから…。」


「授業。始まっちまったぞ…。」


「私のこと…どこまで知ってる?」

この女いつも通りだが、俺の話は全く聞いていない。


「転入生、桐沢亜門。性別は女。自分を悪魔だと言う虚言癖および妄想癖あり。」

俺が知っている情報はこれだけだ。


一部の男子から絶大な人気があるとか、そういう情報は公開しなくてもいいだろう。


「昔…何年も前に、私の事聞いてない…?」


「はぁ?お前、この学校に来て初めて俺に会ったんだぞ?」


「そうね。」

ついに壊れたか。


だが亜門はまっすぐ俺の目を見ている。


「聞いてないよ…。お前のことは、何もしらない…。」


すると亜門は、嬉しそうな悲しそうな顔をした。

このとき俺は、亜門は女の子として悲しいくらい綺麗だなと思った。


「これでも貴方は何も知らない…?」


!?

次の瞬間、俺は自分の目を疑った。

亜門の右手が無いじゃないか!?

いや、空間の中に埋没している。


亜門を飲み込んだ部分の空間は、まるで水面のようにゆらゆらと揺れている。


バシャン!

空間が水飛沫(みずしぶき)を上げながら、中から三又の槍が飛び出した。

自分の身長より高い槍を亜門が持ったときに、俺は亜門の言葉を思い出した。


悪魔をどんなモノだと思ってるの?


「あぁ、鎌じゃなかった…。悪魔は三又の槍を持っている。」


亜門は表情を崩さず口を開く。

そして、ポツリと言ったんだ。


「正解。」

はい、こんにちは。天地 袋です。

初期のポケモン151匹が並んでいるパズルを発掘し、喜び跳ねています。

最後になりましたが、読んでいただいた方ありがとうございました。

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