表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/20

第10話 何も知らない 前編

黒い景色に白い絵の具のようなものが落ちた。

ツーっとそれは下に垂れて白い線に変わっていく。


ボーっとそれを見ていると、白い線の部分が広くなっている。


鎌だ。


そう気付いた時には、俺の首に鎌が当てられていた。


「相良君…。待ってたのは、死んでもらおうと思ったから…。」


後ろだ。後ろに亜門がいる。

動くどころか少し声帯を震わせただけでも、俺の喉は裂けて鮮明な赤が黒の世界を包むだろう。


こちらは動かなくても、あちらが動くんだった。


鎌に力が入るのを感じた。


※ ※ ※


うわああああぁぁぁ!!!!


俺は、凄まじい倦怠感と疲労感に包まれていた。

体中、汗でベトベトする。


俺のベッドはもはや、床上浸水。

我ながら、細い神経だ。


「寝オチかよ…。」

ほとんどの人々の意見を代表するかのように、自ら声に出して言ってみた。


しかも、落ちきれてないじゃないか。


気分は優れないが、女神に「また明日ね」と微笑まれては行かざるを得ない。


しかし、桐沢亜門には注意しなければならないだろう。

いざとなれば、こちらには『黒蝶雪村』という日本刀がある。


その”いざ”が来ないのが一番良いのだ。

いざの時、俺は刀で亜門をどうしようと言うのだろうか。

自分でもこの発想は怖いと思った。


※ ※ ※


カラカラ…。


安っぽい音をたてて扉は開いた。

いつもと変わらぬ教室だ。


席に着く間、女神、聖、亜門の視線にさらされたが、女神が軽く手を振った事により、席に着いてからは、男達の”肩パン”にさらされてしまった。


左の肩が異様に痛いと思ってみると、大辻が絶えることなく拳を突き出しているではないか。

軽く顔面に一撃入れて大辻を黙らせた。


こうしてみると、昨日、殺人犯と争ったのが嘘のようだな。


しかし、次の瞬間、俺の背筋が凍った。


「こんにちは。雪村君…。綺麗な朝ね…。」


第三次桐沢亜門襲来!

はい、こんにちは。天地 袋です。

私は、話の書き出しに困ります。

だけど、気にしないフリをして、走り出します。

だから、すぐ迷子になります。

最後になりましたが、読んでいただいた方ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ