民事訴訟とは
律子の父親に手紙を書いたのは、会社員を定年退職した4男伯父さんであり、法律にそれほど詳しいわけではないはずだ。
手紙の内容からだけでは、訴訟の内容がはっきりわからないので、とりあえずこれを機会に民事訴訟の復習を始めることにした。
えーっと。
民事訴訟、民事訴訟…。
本棚から、民事訴訟の本を取り出す。
苦手意識のある科目だからか、本は使用感なく真新しい。
民事訴訟は、405条から成る法律である。
「この法律の目的は…」
人と人との紛争(私的紛争という)解決。
紛争解決の手続の内容を定めている法律である。
「ふーん」
今の律子には、ふーん、としか言いようがない。
身近な訴訟で、民事訴訟法が関わってくるものは、交通事故の損害賠償請求訴訟、お金を貸したのに返してくれないという貸金返還訴訟、等であろうか。
人と人との紛争ではないからと却下された判例もある。
参照:航空機の離発着の指し止めを求める訴え(最判昭56.12.16)
復習、と言っても、どうしたら良いかわからない。
途方に暮れた律子は、とりあえず目次を眺めてみた。
第一編 総則
第一章 通則(第一条―第三条)
第二章 裁判所
第一節 日本の裁判所の管轄権(第三条の二―第三条の十二)
第二節 管轄(第四条―第二十二条)
第三節 裁判所職員の除斥及び忌避(第二十三条―第二十七条)
第三章 当事者
第一節 当事者能力及び訴訟能力(第二十八条―第三十七条)
第二節 共同訴訟(第三十八条―第四十一条)
第三節 訴訟参加(第四十二条―第五十三条)
第四節 訴訟代理人及び補佐人(第五十四条―第六十条)
第四章 訴訟費用
第一節 訴訟費用の負担(第六十一条―第七十四条)
第二節 訴訟費用の担保(第七十五条―第八十一条)
第三節 訴訟上の救助(第八十二条―第八十六条)
第五章 訴訟手続
第一節 訴訟の審理等(第八十七条―第九十二条)
第二節 専門委員等
第一款 専門委員(第 九十二条の二―第九十二条の七)
第二款 知的財産に関する事件における裁判所調査官の事務等(第九十二条の八・第九十二条の九)
第三節 期日及び期間(第九十三条―第九十七条)
第四節 送達(第九十八条―第百十三条)
第五節 裁判(第百十四条―第百二十三条)
第六節 訴訟手続の中断及び中止(第百二十四条―第百三十二条)
第六章 訴えの提起前における証拠収集の処分等(第百三十二条の二―第百三十二条の九)
第七章 電子情報処理組織による申立て等(第百三十二条の十)
第二編 第一審の訴訟手続
第一章 訴え(第百三十三条―第百四十七条)
第二章 計画審理(第百四十七条の二・第百四十七条の三)
第三章 口頭弁論及びその準備
第一節 口頭弁論(第百四十八条―第百六十条)
第二節 準備書面等(第百六十一条―第百六十三条)
第三節 争点及び証拠の整理手続
第一款 準備的口頭弁論(第百六十四条―第百六十七条)
第二款 弁論準備手続(第百六十八条―第百七十四条)
第三款 書面による準備手続(第百七十五条―第百七十八条)
第四章 証拠
第一節 総則(第百七十九条―第百八十九条)
第二節 証人尋問(第百九十条―第二百六条)
第三節 当事者尋問(第二百七条―第二百十一条)
第四節 鑑定(第二百十二条―第二百十八条)
第五節 書証(第二百十九条―第二百三十一条)
第六節 検証(第二百三十二条・第二百三十三条)
第七節 証拠保全(第二百三十四条―第二百四十二条)
第五章 判決(第二百四十三条―第二百六十条)
第六章 裁判によらない訴訟の完結(第二百六十一条―第二百六十七条)
第七章 大規模訴訟に関する特則(第二百六十八条―第二百六十九条の二)
第八章 簡易裁判所の訴訟手続に関する特則(第二百七十条―第二百八十条)
第三編 上訴
第一章 控訴(第二百八十一条―第三百十条の二)
第二章 上告(第三百十一条―第三百二十七条)
第三章 抗告(第三百二十八条―第三百三十七条)
第四編 再審(第三百三十八条―第三百四十九条)
第五編 手形訴訟及び小切手訴訟に関する特則(第三百五十条―第三百六十七条)
第六編 少額訴訟に関する特則(第三百六十八条―第三百八十一条)
第七編 督促手続
第一章 総則(第三百八十二条―第三百九十六条)
第二章 電子情報処理組織による督促手続の特則(第三百九十七条―第四百二条)
第八編 執行停止(第四百三条―第四百五条)
手続法なので、裁判の流れに沿った形で条文が並べられているようだ。