訴訟?
「いっただっきまーす」
用意してもらった朝食をほおばる。
今日は休みの日なので、パンである。
焼いた食パンにレタスとハムをのせ、コーヒーを飲む。
やっぱ朝食のコーヒーはおいしいっ。
律子はコーヒー好きだが、大学があるときは和食にしてもらっているので朝コーヒーを飲まないことが多い。
休みの日の朝に、自宅で飲むコーヒーは格別である。
これから始まる自由の時間を感じるのだ。
大学生の休みほど、自由なものはないかもしれない。
年齢的にも大人なので、お金さえあればどこにでも行ける。
今日は何しようかなー。
たまっているレポートもないし、バイトも休みだ。
律子は家庭教師のアルバイトをしているが、平日が多かった。
もうちょっと、バイトしようかしら。。。
あとで探してみようっと。
そんなことを考えながら、2枚目のパンにかぶりついた。
「なぁ、律子。お前、大学で民事訴訟とか、勉強するのか?」
不意に、父親が話しかけてきた。
「ウン。科目であるよ。…苦手だけどね」
律子は、今のところ、色々な法律科目を勉強してきた。
法律に無関係な世界を生きてきて、大学に入って急に法律を勉強し始めたので、正直まだ全体的にぼんやりしていた。
民事訴訟は、その中でももっとぼんやりしていた。
苦手科目にしている人が多く、「眠訴」とも言われる科目でもある。
「よくわからないんだが、民事訴訟に巻き込まれそうだ」
「へっ?」