凱旋コンサート
なし
帰り際、置いてあったビリヤードの台が氣になってラウンジこと
バーの様子を見に行こうと思った。
どんな人々が集うのだろう。見たところ、校内は女子学生が多いので華やかなのだろうか。
数学の授業で会った、英国版はっちゃきことケイトはいるだろうか
もしかしたらというへんな期待があった。
部屋の前まで来ると折りたたみの机が出され、張り紙がぺたぺたはってある。
どうやら、その机は何かの受付のようだ。たくさん貼られたA4のポスター。
「ライブコンサート TAKI 凱旋コンサート あの伝説の JAPANギタリスト
TAKI ついに本学に凱旋!!!帰ってきたTAKI リターンズTAKI
サンキュウTAKI 入場料 1£ 見逃すな。今夜7時」
TAKI先輩が戻っているのか。俺を追いかけて戻ってきてくれたのか。
助かった。素直にそう思った。これで救われた。
床に落ちているちらしをもらいひとまず部屋に戻ることにする
滝先輩もCONSELAHOLLだったと言っていたのできっと宿舎にいるはず
そう思い、渡り廊下を宿舎に戻る。学生が降りてくる。
そうか夕食の時間か。滝先輩は時差ぼけではないだろうか。日本のお菓子か何か
持ってきていないだろうか。
4、5人の宿舎から降りてきた学生一団。見るなり突然、大声で「TAKI」「TAKI」と叫ぶ。
坂を駆け下り走ってこようとする者もいる。
私との距離が縮まるや口々に何か叫ぶ。肩をたたくやつもいる。エアギターをするものもいる。
期待してるぜ。そう言っているようだ。
なんのことだ。私を滝先輩と思っているようだ。おかしい。勘違いしている。急いで宿舎に戻る。
あいかわらず、跳んだりはねたり音楽学校の小学生、相変わらずパワフル。
疲れをしらない小学生。
「今日、日本人来た?」と聞いたら「知らない」と首をよこにふる。
かまわず、次々聞き込んでいると鋭い殺氣。いや視線を感じた。振り返ればヤツがいた。
子どもたちの付き添い婦。名を付き添いブー。
すでに怒りモード。「怪しい男に声をかけられた」多分そのように伝わっているようだ。
かなり怒っている氣配。何か言われる前にこちらから。
「今日、新しい日本人留学生いましたあ」語尾はもちろん上がり調子。
一瞬の間をおいて「NO====」すごい怒氣。
「ありがとやんした」日本語で言ってすばやく撤収。
なし




